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2500円のH4型LEDは使い物になるのか?〜後編〜
さて。<前回>の続きをはじめます。
今回は簡単に取り付け編、点灯時の比較、検証を。

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基本的に取り付けそのものは簡単。
バルブ部分は羽根と本体に分かれるので羽根を先に固定したあと、本体を差し込み右へひねると明確なクリック感とともに装着できるようになっている。たぶん大多数のLEDバルブは同様の取り付け方だと思われる。

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問題はゴムのダストブーツをどうするか。(写真は純正のブーツ+ハロゲン)
ブーツがないと埃や湿気がリフレクター内に入ってしまうので、可能な限り付けておいたほうがいい。じゃないとヘッドライト内が結露したりするそう。もちろん純正のブーツを適度にカットしてもいいんだけど、僕の予想では高確率でまたハロゲンに戻すことになりそうなので、いつでもこの状態に戻せるようにしたい。特にこういう端子だけ貫通、顔を出す純正ブーツを見ると、ピアジオがこの部分の密閉性に慎重になっているように思える。そこで現在使っていないトライアンフ・ストリートトリプル純正のゴムブーツ(ディーラーで確認すると1000円以下)をチョキチョキ切って合わせてみるも、どうにも嵌らない。あかん、ゴムが厚く固すぎる…。

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仕方がないので「プロテック」という会社の「LEDバルブ防水ゴムキャップ75mm」なるものを買うはめに。なんでもゴムが薄く柔らかいので、タイトなLEDバルブでもすんなり納まるらしいのだけど、それでもちょっとカットしないと入らなかった。

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1296円の出費…地味に高いな。

ただのゴムなのに。

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続いてコントローラーの設置。
多少は発熱するけれどGTSの場合、気にすべきは振動だと思う。GTSというかベスパの場合、フロントサスのストロークが少ないせいでハンドルに伝わる衝撃もバカにならない。プラスチック製のハンドルカバーが経年で割れたりするのも元々の原因はそこにあると思う。デジタルコントローラーの中身がどういう構造になっているのかわからないけれど振動で中の配線が外れたりしそうなイメージがあるので、どこかにガッチリ固定するのではなく、ふんわりとラバーマウントにしてみた。と言ってもカットしてゴミになってしまっていたストリートトリプル純正ゴムブーツにコントローラーをぶっ挿してインシュロックで吊ってるだけ。ちょっとやそっとじゃ外れないし、カラカラ暴れるような状態じゃないし、放熱も良さそうなんで見栄えはアレだけど問題ないでしょ。

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取り付けに関してはそれだけ。とても簡単。
あらかじめ必要な情報がわかっていて、商品選びが間違っていなければ
ハロゲンバルブを交換するのとそうかわらない手間でできるはず。

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当たり前だけど、ちゃんと右に傾いでいる。

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実際に点灯させてみて気づいたことがひとつ。
点灯中のバルブなんて直視できないので、極端に露出を落とした写真で確認する。左がロービームで右がハイビームなんだけど、ハイビーム時にもロービームのLEDチップは点灯したままなのね。この時ロービーム側のチップを減圧させているのかどうかはわからないけれど、ハロゲンと比べて照射パターンでどう影響するのか興味があるところ。

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もうひとつ。はじめ光軸合わせず走ってみたら随分と高いところを照らしていた。例えばフェンダーミラーの古い型のタクシーの後ろに信号待ちで停車したとして、後部座席のお客さんの頭を照らす程度には迷惑な光軸だった。(これはロービーム用のLEDチップの位置がハイビーム寄りに少し寄せてあることが関係してるのかもしれない)こりゃいかんってことで元々のハロゲンと同じレベルまで光軸を合わせていくと調整幅の限界まで下げてようやくまともな光軸になった。つまりサスペンションなどで後ろ下がりに車高を設定している場合、光軸調整できる範囲におさまらない可能性が出てくるかもって話。




さて、これらを踏まえてこのLEDの性能を検証してみよう。
もちろん僕は車検場近くの光軸テスターのひとじゃないから素人が出来る範囲でだけどさ。
少なくともメーカーの広告では、どう考えても写真撮る段階でフェアじゃないよねってのが多いし、
Photoshopで弄ってるでしょっていう胡散臭い写真も少なくないからさ。
素人なりに頭を捻って正直な検証を心がけたいと思います。


 




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とりあえず両者の照射パターンを写真に撮って検証してみよう。そこでまずはロケ地を考える。できれば暗い道のほうが写真で検証しやすい筈。しかしいざ都内で街灯のない暗い道を探してみても中々そんな道が無いことに驚く。トーキョースゴイネ。周りの通行人や車に迷惑をかけるわけにもいかないし、夜に23区外に遠征して写真撮るほどの情熱もない…。仕方がないので、道路上は諦めて台東区スポーツセンターの駐車場をロケ地として選んだ。環境としてはバイク駐輪場で15m先に建物が建っているという状況。

次に撮影の環境を正確に合わせることを考える。露出を固定するためにマニュアル露出。白トビしてしまうと正確に判断できないので、適正露出から絞りで3段分暗い設定とする。ISO感度は200に固定、F値は2.8固定、シャッタースピードは1/4秒に固定。もちろん三脚立てて月明かりが同じぐらいになるように綺麗に晴れた晴天の夜10時ごろに撮影という念の入れよう(笑。

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その設定でハロゲンのロービームを撮影したのが上の写真。
光の広がり方が優しく綺麗。照射パターンの中心もはっきりしてる。

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全く同じ露出で撮影したLEDのロービーム。全体的に少し明るい気がするけれど、カットラインの切り上がりが無くなってしまった。カットラインもぶよぶよしてる…。でもカットラインが無いわけではないので、対向車の迷惑になることは無さそうかな。照射パターンの中心はちょっと曖昧。光の広がり方も汚い。不必要に光が散っているのか、建物の本来光が当たってないところも少し明るく写っている。

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続いてハロゲンのハイビーム。綺麗に遠くへ飛んでいる。

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そしてLEDのハイビーム。思ったよりハイビームとロービームの切り替えははっきりと出ている。特に夜に山道を走る場合、ちゃんとハイビームが飛ばないヘッドライトほどストレスがたまることはないからね。10年前の安物HIDなんかと比べると遥かにしっかりとした、ハロゲンに近いハイビームで一安心。それでも細かい事をいうとハロゲンに比べハイビームエリア上方への広がりが弱く、本来ロービームが担当するエリアがハロゲンより明るい。ハイビーム時にもロービームのLEDチップが点いていることが大きく影響している。ハイビーム時に大事なのはどれほど遠くまで光が届くかであって、近くをいくら明るく照らそうが、それは意味の無いこと。しかし山道を走っていて勾配によってハイビームとロービームを頻繁に切り替えながら走ることは少なくなるのかな。とりあえずハイビームにしておけば下り坂だろうが上り坂だろうがロービームより走りやすい、みたいな。(本当は同じリソースを割くならがっつりハイビームに割り当てて欲しいところだけど)




次にハロゲンからLEDに替えて、実際に明るさが上がっているのかどうかの検証をしてみる。
というのも人間の印象や感覚的なものが変わる、色温度の違いを排除した状態で比べてみたいから。

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写真を横に並べて比べたほうがわかりやすい。そして色温度の違いによる印象を排除するためにモノクロームに変換するとこうなる。(注:昨年10月ぐらいからこのブログもRetinaディスプレイなど高画素密度ディスプレイに対応すべく全ての写真を1200pix幅でアップしてるので、写真をクリックしてもらえれば大きな画像が見られます)
うーむ。こうやって見ると全体的にはLEDがハロゲンより明るいけれど、画期的に明るいかと言われるとそんなでもないねえ。意図せず光が散ってるせいで手前は明るくなっているけれど、走行中にそんなに近いところを照らす必要はないわけだし。

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モノクロ変換したハイビームがこちら。LEDはロービームエリアに広がって明るく見えるけれど、照射パターン中心部分の明るさは似たようなもんだし。むしろハロゲンに比べ照射パターンの中心がわかりにくいので、機械で自動判定する車検には通らないかもしれんねぇ……。

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なお、静止画だと細部の照射ムラが邪魔して実際の走行時とは感覚的な見え方が違うかもしれない。走行中は止まっている時と違って目の前の近い景色ほどはやく流れているわけだし、静止画で比較するのもちょっと違うような気がしてくる。そこで中心はほぼそのままに、周辺に向かって少しだけ放射状に流したのが上の写真。(当然ハロゲンの画像もLEDの画像も同じ設定の加工)運転する者の網膜上に飛び込んでくるのは後方へ移動する物体に反射した光であり、残像現象などを考えると実際の走行中の見え方はこちらの方が近いと思う。

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写真だけ見てると壁に激突する1秒前のドライブレコーダーの映像のようで怖い(笑。




次にヒトの目で判断するのではなく、数値で理解するためにキカイの目で測ってみよう。
世の中便利になったもので、スマートフォンアプリで照度計を模したアプリってのが存在する。スマートフォンのカメラを使って輝度や照度を測れるようにしたもので、照明器具メーカーの岩崎電気が作っているアプリ。たぶん部屋の明るさとかを測るためのもの。

まずは照度を測るモードでダイレクトにヘッドライトにカメラを向けてみたらメーターを振り切ってしまった。そこで測定方法を改め、ヘッドライトから80cmほど離れたところに、A2サイズの白い紙を持ってビームを紙の中心に入れ、その紙をヘッドライトと同面上のすぐ上から撮影して測ることに。一人じゃできないのでヒロシさんに協力してもらった。(測定はヒロシさん、僕は白い紙を持つ係)灯体からどのぐらい離れるかでこの数値は簡単に変わるのでこの測定方法で出た数値に意味はないけれど、同じ距離さえ守れば、相対的なざっくりした差は明らかになるはず。

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環境光の影響をもろに受け、同じ場所、時間、環境で測らないと意味がないので、比較対象をムラカミさんちの試乗車、赤いGTS250ie(一度も交換していないハロゲンバルブ)として、ウチの黄色いGTS250ieのLEDと比べてみた結果がコレ。左列がハロゲン、右列がLED。上段がロービーム、下段がハイビーム。(ちなみに右肩に小さく写っている正方形の写真は結果をスクリーンショットするときに写りこんだもの)うーん。差が出すぎじゃないかな。どうしてこうなった。確かにムラカミさんちの試乗車のヘッドライトを見たときに、うわ暗い!って思ったけれど、この差はなんだ。ハロゲンのロービームがLEDのロービームの15%しか出ていないってのは考えにくい。もう10年以上、一度も交換していないハロゲンバルブや初代の開放式バッテリーが劣化していたと理由付けはできるかもしれないけれど、この結果は測定方法に問題があると考えるべきだろうね。そもそも同じ車体で測定しないと意味なかっただろうし。他の方法を考えよう。

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このアプリ、輝度を測るモードではすでに撮ってある写真から算出することもできる。つまり写真をスマートフォンに表示し、画面表示の輝度から計算するっていうことだろうと思われる。そこで、先に撮った写真をiPhone 7plusで画面表示させた後、その画面の輝度を測る。輝度なので全体の光ではなく一点を表すことになるので、慎重に一番明るい部分(光の中心)をタップして一番高く出た数字が、それぞれの右下に出た数値。単位はcd/m2(ざっくり言うと1平米あたりロウソク何本分の明るさかってことらしい。よく車検で言う一万何千カンデラかという単位とは違うのかな、ややこしいね)これも左列がハロゲン、右列がLED。上段がロービーム、下段がハイビーム。照射の中心、最大値はハロゲンの場合ハイ/ローで差があるのに、LEDはハイ/ローの差がないね。これは2015年から四輪の光軸検査がロービームからになったのが影響してるのかも。LEDバルブを作る側もロービームでできるだけ光量出しとけみたいな開発方針になったんじゃないかと邪推する。
まあ、一旦写真にしてる時点で、しかも三段分露出を低くした写真で、さらにそれをスマートフォンに表示させてバックライトの光で算出している時点で、検証に値するものではないのだろうけれど。なにかしら数値で有益な情報を得ようとするとこんなものしか手立てが無かった。ちゃんとした照度計が欲しくなるねぇ。露出計と違って簡単なものなら安いものがいっぱいあるしねぇ。




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ここまで検証してきても初めの印象とそう変わらない。
「今回の商品の場合においては」という前置きの上で総括すると、全体的にはLEDがハロゲンより少し明るいけれど、ハロゲンをそのまま明るくしたものではないってこと。特にプロジェクターに入れる型式と違いリフレクターに反射させるH4型の場合はまだまだ厳しい。ちゃんとリフレクターによる照射パターンがハロゲンと同じように収束しているならハロゲンよりだいぶ明るくなると言えるけれど、安物のH4LEDだとその光の配置、拡散と収束において限界がある。特に静止状態だと照射ムラの無さからハロゲンの方が綺麗に見えるってことかな。光の総量、全光束はLEDの方がはるかに上なので、もう少し商品のクオリティがあがればLEDがすべての面で圧倒的にハロゲンを凌駕するっていう時代になると思う。そしてその時期もそう遠く無いと思える。今後に期待ですな。
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◇◇◇

さて。涙ぐましくも稚拙な検証はしたけれど。我がベスパにこのLEDを採用するかどうか。
悩ましいところだけれど、このLEDの寿命がどんなものなのか知りたい気持ちもある。今回ベスパのハロゲンバルブの寿命が少し短いんじゃないかという仮説からはじまりLEDに替えてみたわけだけれど……。普通に考えれば、ファンが故障してご臨終、小さなファンでは排熱が追いつかなくてご臨終、振動で基盤が外れてご臨終、配線が焼けてご臨終、コントロールボックスの抵抗がダメになってご臨終、とハロゲンに比べてリスク要因が多すぎる。電圧うんぬんの問題の前に、この商品の耐久性の不足で100時間とか1000時間で壊れる可能性の方が高いように思える。このあたりをはっきりさせるために、まずはコイツが壊れるまで使ってみようかと今の所は思っています。

<その後の経過報告 1>



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by la_nuavo_vespa | 2018-01-16 22:11 | GTS250ie | Comments(3)
Commented by 仁唯パパ at 2018-04-19 08:19 x
はじめまして。自分もヘッドライトをLED化しようと思い検索したところとても参考になりました。同様にしてみようと思ってるのですが、その後乗ってみていかがでしたか?ノーマルよりはやはり明るく感じるのでしょうか?
Commented by ところで、 at 2018-04-21 22:06 x
実は1セット目は10日ぐらいでカプラーの不良で点滅するようになりまして、現在2セット目のものを使っています。しかし、コレは僕がリポートするために何度も雑に脱着を繰り返したせいでもあります。そして2セット目は現状100日ほど経ち少なくとも100時間はクリアしています。改めて考えるとやはりLEDの明るさは効果的で、晴れている限りはハロゲンより明るく感じます。雨が降るととても見えにくですが。
Commented by 仁唯パパ at 2018-05-04 12:26 x
わざわざ経過報告までありがとうございます!
私もLED化に踏み切ろうと思います!
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