La nuova vespa?
2021-05-03T20:44:41+09:00
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ベスパの話題そっちのけ!
Excite Blog
AUKEY BR-C13
http://newvespa.exblog.jp/30510534/
2021-05-03T20:38:00+09:00
2021-05-03T20:44:41+09:00
2021-05-02T17:10:41+09:00
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GOODS
本来なら今頃は大阪あたりを疾走しているはずだったのだけれど、今年もコロナで二泊三日のロングツーリングは中止に。コロナが収束したあとにはリベンジするぞと心に誓いつつ、準備だけはしておこうというのが今日の話。
三年前に手に入れたTao TronicsのTT-BR06とTT-BR08。(以前の記事→TT-BR06 →TT-BR08)とても優秀で気に入っているのだけど、写真右のTT-BR06は二年目ぐらいで雨天の日に使って壊れた(非防水です。電源は入るけどブルートゥースで繋がらなくなった)。写真左のTT-BR08は現在も活躍中なんだけれど、バッテリーがへたってきていて、日帰りツーリングではバッテリーが丸一日持たなくなってきた。新品のときは公称値の連続稼働15時間に近い電池持ちだったけれど、今は9〜10時間ぐらいしか持たない。
本当は全く同じTao TronicsのTT-BR06の新品が欲しいのだけど、同じものも後継機も今じゃもう売っていない。代わりになりそうなものをずっと探していたのだけど、ワイヤレスイヤフォンが一般的になって、こういう商品は需要がないのか、あまり良いものがないのよねぇ。最近otoboke-yaさんに買ってあげたエレコムのLBT-PHP01AVのようなとても小さいものはあるけれど、外部に操作ボタンがあって、ヘルメットに貼り付けれれるサイズと重量で、さらにバッテリー容量もと欲張るとそんな商品は存在しない。無いものは仕方がないので、バッテリー容量だけ目を瞑って、AUKEYのBR-C13という商品を買ってみた。
Tao TronicsのTT-BR08がまだ生きているので、バッテリーが切れたあと補助的に使用できればいいかと、連続稼働時間は公称7時間。その割にサイズはそんなに小さくないけれど、これ以上小さくなるとバイクに乗りながら操作するのが難しくなるので、妥当なところかと。
さて、取り付け準備。コイツにはいかにもヤワそうなクリップがついている。
えい。
SUWADA is dope!
雑にやすりがけしたあとマジックテープをぺたっと。
写真左上の100円ショップの安いマジックテープと、エーモン製のしっかりしたマジックテープでは、オスよりもメスの方がその違いが大きいんじゃないかと思うようになってきた。メス側はやっぱり痩せてくるしね。
良い機会なので設置場所を変えてみた。雨風の影響が少ないヘルメット後方で、イヤフォンジャックや充電口が下を向く方向で。
◇◇◇
さて、実際の使い心地をレポートすると…。
1)音が少し小さい。アンプ機能が入ってない気がする。普通に走る分には問題ないけれど、高速でぶっ飛ばすと音量がちょっと不足ぎみ。2)起動音とシャットダウン時の音がわかりにくい。3)やっぱり操作ボタンは押しにくい。Tao TronicsのTT-BRシリーズがよくできていただけに残念。4)電源が入っている時の発光部分は直径1mmぐらいの穴のような部分だけなので、充電中にちょっとわかりにくい。
とまあ、散々な評価。まあバッテリー持ちを含めてそれほど期待していないので残念な気持ちにはならないけれど、重要なのは一番マシだと思えるものを選んでこれだってこと。本当にTao TronicsのTT-BRはよくできていたんだなぁと思い知るのでした。今後もあれ以上のものが出てこないのであれば、いよいよインカムに手を出そうかという気になってきます。
ヘルメットにごついインカム、値段も3万円から5万円だとか高すぎるわ!って思ってたけれど、これぐらいなら買っても良いかなって気になってくる。厚さ8mmぐらいで29gだってよ。インカムとして使うには通信距離が通常200m以下、推奨50mとすごく短いけれど、タンデムライダーと会話するだけならこれでいいし、もちろんナビの音声や音楽聞くだけならこれで十分。あとはバッテリーの持ちがもう少しあればなぁ。
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ヘッドライトステーを2センチ伸ばす
http://newvespa.exblog.jp/30480173/
2021-04-05T00:03:00+09:00
2021-04-17T15:09:25+09:00
2021-04-05T00:03:30+09:00
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Speed Twin
「ヘッドライトのリムを黒く塗装したいんだけど、メッキの上からは難しいよね?」「えー。リムが黒いのはアメリカっぽいっていうか、英国車らしさがなくなるんじゃないの?やめといたほうがいいよ」
昨年、ヘッドライトを交換した際に村上さんとそんな話をしていた。純正の黒リムからメッキにしたら、なんかライトケース全体のシルエットがわかりにくくなったというか、車体に対してヘッドライトがへっこみすぎたと感じていて、それを修正するために黒く塗りたかったのだけれど、村上さんの言うことも一理ある。そもそも純正より少し小ぶりなケースを純正より短めのステーを使い、ヘッドライトを車体に寄せたからなんだけれど、結果、ガソリンタンクなどの他の要素が相対的に大きく見えて失敗したなぁと後悔していたのです。
二回目の緊急事態宣言が出されていた一月頃、これらの問題を解決すべく少し長めのヘッドライトステーを買って組み直したりしていました。どうせどこにも行けなかったしね。今日はそんな話。
ライト取り付け穴のセンターからフロントフォーク外縁までの最短距離で122mm。今までのステーは100mmなので、2センチほど長くなる。同じ測り方でスピードツイン純正ステーがだいたい120mmぐらい(同じ2眼メーターのスラクストンも同じぐらい)なので長さは元に戻った格好。なお、同じ測り方で純正ステーを比べると水冷でメーターが単眼のストリートツインやストリートスクランブラーなどは85mmぐらい、空冷ボンネビルは105mmぐらい。
最近は流行らないのか、意外と長めの社外品ライトステーって少なくてね。「モトトリオ」というブランドのものをタイに本拠地があるオメガレーサーから直接取り寄せた。送料やTAX込みで諸々11000円ぐらいになったかな。
今回、他のものと一緒に買ったりしてなくて、コイツの為だけに送料をかけてまで選んだのは何故か。実は今までのブリティッシュカスタムズで売ってるステーとネジ穴の間隔が同じなんじゃないか、タイで削り出してる製品って作ってるところ同じだったりしないか?と想像したんだけど、うん予想通り。弧を描くクランプ側との連結面のラインは厳密には少し異なるけれど、これならクランプをフォークに残したまま長さを変えられる。
クランプを共有できるってことは、いちいちトップブリッジを外さなくて良いってことになる。今後ヘッドライトまわりの変更をする時にいつでも簡単にヘッドライトステーの長さを変えられるのは魅力的。
ただし、同封のクランプネジはサイズが違うようで、もともと付けていたクランプ同封のネジを採用することに。
とまあ、表面処理の違う組み合わせのステーが完成。ステーのクランプはウインカーのクランプと同じ質感で合わせた方がよかろうという判断でもある。
ステーの長さでどれほど変わるのか、双方の写真を合成するとこんな感じ。たった2センチの違いなんだけれど、選べる高さも幅広くなるし、印象もずいぶん違う。
上が旧ステー、下が新ステー。今回の教訓としては何かを少し小さくすると、相対的に他の何かが大きく見える。当たり前のことだけれど、バイクの顔となるフロント周りはその効果が大きいってこと。もちろん、二枚の写真をみて、いやいや上の方がモダンでオシャレで良いでしょってひともいるだろうし、違いがまったくわからないよってひともいるでしょう。(むしろ違いがわからないってひとのほうが大多数だと思われる)
でもね、ちょっとモダンすぎたんじゃないかともやもやしていた気持ちは晴れた。そうそう、この古臭さ、鈍臭さが今の気分だったのです。まあ飽きたらまた元に戻すかもしれないけれどね。
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X-Pro2
http://newvespa.exblog.jp/30464379/
2021-03-21T22:26:00+09:00
2021-03-22T05:19:01+09:00
2021-03-21T19:11:30+09:00
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Speed Twin
前回の続き。ずっとotoboke-yaaさんのX100Tを借りているのも、もし壊しちゃったらと考えると落ち着かないので、自分のカメラを買った。
やはりX100と操作系統が同じで色合いの方向性も同じカメラのほうが使いやすいので、中古のX-Pro2を手に入れた。ちょうどボディ内5軸手ぶれ補正の入ったX-S10が発売され、もう少し待つとコンパクトなX-E4が発売されると噂されていた年末の頃。X-S10のコストパフォーマンスに最後まで迷ったし、X-Eシリーズの小ささも魅力的だったのだけど……。修理受付カウンターとショールームを兼ねた、フジフイルムスクエアで実機を触ると現行最新機種はどうにもしっくりこなかったのです。
シャッタースピード、ISO感度、露出補正が物理ダイヤルで設定でき、絞り環を備えていればレンズ側で絞りを操作、露出が完結するというのは完全に銀塩のころのマニュアルカメラ。電子ビューファインダーや背面液晶で数値を確認しなくても物理ダイヤルで操作できて安心ってのが決め手だった。
もちろん各ファンクションに機能を割り当てられる他社を含めた現行のカメラは十分に使い込めばそちらの方が操作も早いはず。CANON機のように各ボタン、ダイヤルの配置が絶妙によくできていると尚更…なのだけれど、どうせ手が覚えるほど使い込むような使用頻度じゃないだろうなという想像のもと、たまに使っても必要な操作に迷わないということを優先させるとこうなった。X100Tで慣れてきた操作体系だけれど、アレにはISO感度のダイヤルが無かったので、物理ダイヤルで操作するフジフイルム機の完成形という感じがする。本当はISOダイヤルがシャッタースピードダイヤルと同軸ではないX-Tシリーズのほうがさらに良かったのだけれど、ちょっとボディが大きすぎたのでX-Pro2に。価格もこなれてきたのか極上中古で8万円台。
小さなボタンの押し心地のようなものは防塵防滴用のシーリングのせいで安っぽいけれど、ダイヤルのクリック感などはちょうどよく、この頃のフジフイルム機はなんかお金がかかっている気がするのよね。その点X-S10とかは一番大事なシャッターの感触でさえもチープで落ち着かない感じがした。
組み合わせるレンズはこれまた中古でXF18-55mm F2.8-4R LM OISっていうのを選択。換算28-85mmの標準ズームレンズだけれど、フジフィルムがXマウントを立ち上げた頃に作った最初期のキットレンズで、流通量が多いのか性能の割に安いと感じたのです。APS-Cのレンズとしては取り立てて小さくも明るくもないけれど、とても堅実な描写をする。
18-55mm F2.8-4、写真はJPEG撮って出しのリサイズのみ。
丸の内のフジフイルムスクエアでは、予約しておけばボディやレンズをレンタルさせてくれるサービスがある。一泊で1000円とか2000円、当日返却だと無料という太っ腹ぶり。この素晴らしいサービスを利用してテストした結果好印象だったのが、この18-55mm F2.8-4だった。ちょっとした仕事でも使いたいので、まずは絞り値にかかわらず周辺まできっちり解像することが大事。そのうえで逆光では優しい色合いに写る。色に関してはボディ側の問題でもあるけれど、X100Tのレンズと同様に逆光の開放で甘めの色合いを出しつつ、開放で甘すぎるX100Tの解像と違い、現代的にカリっと写る。そんなの開放F値が違うだけじゃない?って気もするけれど、使えないのなら明るい開放F値なんていらないとも思う。望遠側F4できっちり周辺まで解像するのは安心。
撮影:otoboke-yaさん。
なお順光でも他のレンズと比べて色のりはあっさり目、でもコントラストはそこそこ高い感じ?色合いはボディ側でどうとでもなるけれど元々のレンズの性格としてはそう感じた。そして歪曲は比較的少ない。X100Tのコンバーションレンズで歪曲の酷さに辟易していたのでそうそう、これが普通よねって感じ。
先に述べた通りボディ側でどうとでもなる色合いやコントラストの重要性は低いし、ましてRAW現像するのであれば無視して良い点なんだけれど、このレンズに決めた決定的な要因は手ぶれ補正の有無だった。古い設計で公称4段分というこのレンズ内手ぶれ補正だけど、公称値の通りしっかりした効果があった。望遠側で1/10秒でも撮れるのは非常に魅力的。ボディ内手振れ補正がない機種と組み合わせるのだからこの差は大きい。
とまあ、X-Pro2用のはじめの1本としては優秀な18-55mmだけれど、今回の本当の目的、バイクの写真を素敵に撮るためには55mm(換算84mm)では少し短いと感じる。人物やテーブルフォトなら標準があれば良いのだけど、バイクを撮るなら換算値で100mmの焦点距離が欲しい。ボケ量の問題ではなく、全長2メートルほどの物体のパースをきっちり殺そうとするとそれぐらいの長さが必要。このパースの問題は100mmぐらいを境に急に無くなりだすので、それ以上の長さはあまり必要がない(それ以上の長さはボケが必要かどうか)けれど、比較的軽い単焦点で換算100mm程度のものを探し購入したのがXF90mm F2 R ML WRだった。(もちろん中古ね)
小さいボディに付けると絞りリングが地面に接地するからかガリ傷あり。ゆえに少し安めだけどそれでも7万円となかなかの価格。
これもフジフイルムスクエアでレンタルしXF60mmF2.4とXF55-200mm F3.5-4.8 R LM OISとで比較、撮り比べたのだけど、手ぶれ補正がついていないことを無視できるほど、写りが気持ち良い。開放F2.0と明るいのに開放からしっかり解像する。ピントも合わせやすい。色のりも自然で豊か。これらの長所の前では他の候補のストロングポイント(近接撮影距離だったり手ぶれ補正だったり)は霞んでみえる。
もちろん短所だってある。単焦点のくせにデジタル補正される前は少し歪曲があるっぽいのと、ボケがとても綺麗で自然なのに小さな光源を入れるとできる玉ボケが汚い。そして結構サイズがでかい。X-Pro2ボディはAPS-Cのカメラとしてはそんなに小さいものではないけれどちょっとレンズが大きくアンバランス。
90mm F2のJPEG撮って出しリサイズのみ。
しかしそもそもの目的、バイクをパースを極力つけないで撮りたいという目的は達成。前輪だけ不恰好に大きいとか、車輪が四隅に不自然に歪んでいるといったことがない。上の写真でいえば、前輪と後輪のサイズ比が随分自然(F120R160幅の前後17インチタイヤなので実際はまあまあ後輪の方が大きいけれど、普通の標準レンズだとこの角度で前輪が1.2〜1.3倍ぐらい大きく写る。広角だともっと大きく写る)。もちろん90mmなので換算約135mmとなり、バイクとの距離はかなり確保する必要がある。
90mm F2のJPEG撮って出しリサイズのみ。
しかも、インスタグラム用に縦位置で全体を収めようとするとディスタンスは10m近くなる。とまあ、広いところでしか使えないレンズだけれど、この条件さえ許せば一級品みたいな存在でワクワクするレンズ。
18-55mm F2.8-4の18mm広角端。
バイクのリア側から撮る場合、大抵はパースをつけた方が格好良く写ることが多いので、18-55mmのような標準ズームor広角や標準の単焦点レンズも必要だけれど、ここ一発のお気に入りレンズがあるのとないのとではテンションが違うと思うのですよ。完全に気持ちの問題だけれど、気持ちって大事だからね。写真なんて最後は執念みたいなところがあるし。
なお、X-Pro2ボディとXF90mmだけ防塵防滴でXF18-55mmは防滴構造ではない。
◇◇◇
ここまでが、昨年末。緊急事態宣言が出る前の話。二度目の緊急事態宣言が発出され、新しいカメラがあるのに撮りに行けない状況に陥っていましたが、明日から東京も緊急事態宣言が解除。毎日自宅でテレワークしてるとその行為を無駄にしたくない気持ちが働き、写真を撮りに行きたい欲望なんてなくなってしまってます…。慣れって怖い。
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フェンダーレスとX100
http://newvespa.exblog.jp/30455894/
2021-03-13T20:18:00+09:00
2021-03-14T01:18:16+09:00
2021-03-13T16:50:25+09:00
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Speed Twin
気がつけば冬も終わろうとしていますが……。昨年秋頃、スピードツインにフェンダーレスキットをつけた。
ブラシ仕上げが素敵なアルミフェンダーを残しているのに「フェンダーレスキット」という呼び名はいかがなものか? やはり「Tail tidy」という言葉の方が正確だとは思うけれど、日本じゃそのほうが通りがいいのでそう呼ぶことにします。たぶん日本のカスタムパーツ屋さんのほとんども同じように思っているんだろうけれど、一度浸透した言葉を変えるのは大変だものね。
意外なことに泥跳ねは悪化しない、純正と同程度。これは純正のナンバーブラケットがステー状に長く伸びたもので、そのステー部分からガンガン泥を跳ね上げていたから。もともと泥跳ねはあまり防げてなかったからね。
あとはどうしてもナンバー灯の光が後方に漏れて迷惑(スピードツイン用として出回っている市販品は多かれ少なかれ同様の問題がある)で、その問題を解決したりと本当はこのブログ用に写真を撮っていたのだけど、今回その写真たちは無い。それは何故か。
8年間使っていたカメラを紛失した。
otoboke-yaさんと半分仕事で行った横浜で写真を撮っていたんだ。otoboke-yaさんのカメラと持ち替えたりしているうちに気がつけばカバンに入ってなくて……すぐに気づいて周辺を1時間ほど探し回ったけれどどこに置き忘れたのか、見つけることができなかった。
紛失したのは2012年に買った、X10というフジフィルムのデジタルカメラなんだけれど(→以前の記事)ちょっとしたメモ的撮影から、パンフォーカス撮影で使い勝手がよくて、とても気に入っていた。購入当時から控えめな数値だった1200万画素、高いISO値でのノイズなんかは今の基準から見るといまさら有り難がるスペックではないけれど、換算28-112mm、開放F値2.0-2.8という便利なレンズでそれを手動でズーミングできるコンデジなんてこのカメラぐらいのもの。この操作性は他のコンデジで置き換えられるものではない。本当に好きなカメラだった。
まあ機械はいいよ。お金出してまた買えばいいから。でも中のデータはなぁ…。フェンダーレスの写真なんて別にいいけれど、他の色々なデータも全部無くなった。ショックです…。
しばらく落ち込んでいたら、otoboke-yaさんが普段使っていないフジフィルムのX100Tをしばらく貸してくれるという。これ、フジフィルムが今も作り続けているX100シリーズ(→以前の記事)の3世代目にあたるもので、初代で一番のネックだった光学ファインダー内の表示を改善し、フォーカスポイントが表示できるようになった時代のもの。光学ファインダーがようやく実用的になった記念すべきモデル。
わざわざ複雑な構造にして光学ファインダーを装備する意味なんてないのかもしれない。一眼レフならまだしもパララックスはあるわ、倍率は低いわ、実用的とは言ったけれど電子ビューファインダーがあるなら無理に実装しなきゃいけない機能とは思えない。
上の写真、電子ビューファインダーの液晶がチラチラして見ずらいとか、現状の電子ビューファインダーがまだ人間の目の解像度に追いついていないとか、光学ファインダーの方が電池持ちの面で有利だとか、遅延がないとか。正当化できる要素はあるけれど、一番の目的は一眼レフカメラからミラーレス一眼カメラの電子ビューファインダーへの移行をスムーズにするためのものだと思う。
APS-Cのセンサーを積んだコンデジだけれど、レンズが交換できないことを除けば性能的にはAPS-Cのミラーレスカメラと変わらない。驚いたのは電子シャッターで最高1/40000秒のシャッタースピードが使えるってこと。上の写真はシャッタースピードが1/13000秒だけれど、それを遅延のない光学ファインダーで撮影できるなんて凄いことだと思う。(撮影はヒロシさん)
1600万画素ってのは今となっては少し寂しいかな。必要十分なんだけれど、それはトリミングが少ない場合に限る。2400〜3000万画素の縦位置写真から横位置写真にトリミングして書籍の見開きで印刷するっていう無茶に慣れてしまっている。デザイナーとしては今までオフセット印刷は原寸で350dpiあれば良かったけれど、高精細印刷が普及してきて、原寸450〜できれば600dpi欲しいというのも高画素機が必要になってきている要素。あっ、でもそれは仕事でガッツリ使う場合の話で、そこまで求める訳でもないけれど。
プライベートにおいての被写体はオートバイが多いし、最近トライアンフに特化したインスタグラマーとなってる身としては、むしろオートバイ撮影専用の機材が欲しいとさえ思っている。そう考えると換算35ミリの焦点距離だけってのは使いにくい。よりパースのつく広角レンズってのは物体の造形を正確に写し取るのには向いていないし、オートバイに限って言えば車体斜め45度から撮った時、前輪と後輪の大きさの違いが大きくなる。まあそこまではいいのだけどれど、車体を真横から撮った時に中心にあるエンジンから末端にある車輪までが歪む、さらには車輪そのものも歪むという問題があり、できればもう少し長い焦点距離が欲しいところ。
そこでX100シリーズ用の望遠コンバーションレンズを買ってみた。換算50mm相当になるものでAmazonで25000円ぐらいだったかな。そんなお金があればX10シリーズの中古が買えるじゃないかとも思ったけれど、レンズの柔らかな描写や、X10にはなかったクラシッククロームというフイルムシミュレーションの色合いなんかは気に入っているので、リセールバリューに優れる方法を選んだ。
本当は100mmぐらいの焦点距離が欲しいのだけど、換算35mmと比べると50mmとなる画角はオートバイを撮るのに随分使いやすくなり、つけっぱなしでもこれ以上引けなくて辛いということもない。驚くのはコンバーションレンズをつけても明るさが変わらないことで、開放F2.0の50mmレンズとして使える。
難点といえば、ちょっと歪曲が強い気がすること。JPGを生成する時だけではなく、RAWデータ上でもすでにデジタル補正が入っていると思われるのだけど、それでも上の写真、壁と天井の境界に糸巻き型の歪曲が出ている。
こちらの写真もわかりやすい。柱や窓枠、天井なども歪曲が目立つ。ズームレンズじゃないのに、派手な歪曲が出るなんてどういうことだよと思ってしまう。
コンバーションレンズを外すと緩やかな樽型の歪曲。
つけっぱなしにしたコンバーションレンズはなかなかの大きさ・重さなので、ちょっとしたレンズ交換式ミラーレスカメラと変わらない携帯性になってしまうのも納得いかない。JPGの色合いとかレンズのシャープネスとか、絞りやシャッタースピード、露出補正が物理的なダイヤルで設定できる操作性は気に入ってるんだけどねえ。そしてこの後、新しいカメラを買うことになるのだけれど、それは次回の話に。
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エレコム LBT-PHP01AV
http://newvespa.exblog.jp/30321935/
2020-11-29T22:19:00+09:00
2020-11-30T01:23:15+09:00
2020-11-29T22:09:23+09:00
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GOODS
大きい方のバイクがスピードツインになってから、otoboke-yaさんがわりと後ろに乗ってくれるようになった。以前はピリオンシートタイプのバイクが嫌だと言うからライダー側とタンデム側のシートが繋がったストリートトリプルにしたのに、段差があって嫌だと全然乗ってくれなかった。でもスピードツインはベンチシートにしたこともあって完全にフラットな座席。座席の取り合いをしたかったのかな? それぞれの居住空間に明確な線が引かれていないというのが良いみたいなのです。今後も長距離なら背もたれのあるベスパのほうが良いだろうし、まあちょっと無理してるんじゃないかなとも思うのだけどね。
ちょっと無理させているのかもしれないなという負い目もあってotoboke-yaさんのヘルメットにスピーカーを仕込んであげることにした。彼女は最近ブルートゥースで繋がるコードレスイヤフォンをつけてヘルメットを被っているのだけど、かなりの確率でイタタタって被りにくそうにしていたのです。ちなみに今回使用するのは以前自分でも使ってみて、なかなか優秀だと思ったJVCのHP-AL102。〈→以前の記事〉
厚みはあるけれどotoboke-yaさんのヘルメット、BELL Bullitt〈→以前の記事〉はイヤーパッドがスカスカなので、全然問題なさそうに思える。
スピーカー用のポケットがあるのだけど、その部分にはスポンジが無いのね! スカスカだとは思ってたけれど、まさか発砲スチロールもスポンジもない面があるなんて…。
ブルートゥースのレシーバーは、僕が使っているTao Tronicsのものを探してみるも、同じものも、直接の後継機となるものももう売っていないらしいので、日本のエレコムのものを選んでみた。品番がLBT-PHP01AV。
二年前にすごく小さくてびっくりしたTao TronicsのTT-BR06と比べても、さらにこんなに小さい。これは再生、早送り、音量などのボタンがそもそもついていない(主電源のみ。主電源を入れると自動でペアリングされる)からではあるんだけれど、タンデムライダーは両手が塞がっていないのでスマートフォン側で操作すればいいかなと。背もたれがないと危険だからあんまりやってほしくは無いけれど、彼女は後ろで自由に過ごされているので、問題ないらしい。
そしてこれだけ小さいと顎紐にクリップでとめるだけで済む。もともと金属製のしっかりしたクリップがついているのも良いところ。実はずっとインカムを導入しようよと提案しているのだけど、ヘルメットにあんなにごちゃごちゃしたものをくっつけるのは格好悪くて嫌だなんて硬派なことをいう人なのです。顎紐に小さなものがくっついているだけなら外から見えないからね。彼女の美意識を邪魔しない。
◇◇◇
さて。2回ほどタンデムツーリングで使ってみた結果としては…。6時間と短めのバッテリーはそんなに気にならないらしい。モバイルバッテリーで充電しながらも使えるしね。ブルートゥースの繋がりやすさは普通。若干切れる距離が短めなようだけれど、ヘルメットから歩いて離れるときはどっちみち切れることになるので、これも問題なさそう。問題なのは音量が小さいことらしいのだけど、僕のヘルメットに付けてみたところ、レシーバーの問題ではないことが判明。
となるとスピーカーの位置がずれてるってこと。どうもイヤーパッドのポケットが広くて簡単にスピーカーが動くみたい。ヘルメットの内装材に直接スピーカーを貼るようにしたら、うん、だいぶ良くなった。それでもアライのフルフェイスと比べると音量も音のまわりも良くないけど。BELLのBullittはイヤーパッドの出来がね…。イヤーパッドだけじゃなく内装全体の出来がね…。ホールドが良くない、当然遮音性も良くないわけでさ。こればっかりは仕方がないね。
それでもイヤフォンをしてフルフェイスを被る時の、アイタタタっていう瞬間から解放されただけでもotoboke-yaさんはご機嫌なようです。
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エキパイに剥離剤は有効なのか?
http://newvespa.exblog.jp/30283672/
2020-11-05T23:47:00+09:00
2020-11-06T00:09:13+09:00
2020-11-05T22:23:26+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
火曜日。都内の駐輪場にとめようと前輪にチェーンを通した瞬間やってしまった。服の袖がエキパイに触れた瞬間、白い煙があがる。この服はウール100%じゃなくサーモなんとかっていう高機能服で化繊が混じっているのです。
スピードツインのエキパイはこんな状態。服の繊維の跡がくっきりと。
金属の光沢を保ちつつ、きつね色に。4000km走って良い感じにエキパイの色が育ってきていると思っていたのに残念だ。そういえば一年ぐらい前にエキパイが熱いままバイクカバーをかけて同じことやっちゃったんだなぁと思い出す。あの時は削り落とした後に、「ガソリンタンクの塗装時などに使う剥離剤」が有効だと教えてもらったんだっけ。
気をつけていてもやってしまったということは、きっとこれからもやってしまうんだろう。そう考えて今度は剥離剤を買ってきた。僕が思い描く剥離剤ってのは金属の缶に入っていて、粘度の低い液体で劇薬っていうイメージだったけれど、エキパイに使うだけならそんなに量は要らないし、本当に有効なのかわからないので、一番小さなボトルに入った写真のようなものをホームセンターで購入。
パッケージには水性とか書いてあるし、そもそもプラスチックの容器に入っている時点でどうなのよって思ってしまう。塗料ってのはラッカー系であれアクリル系であれ石油ベース、樹脂なはず。その樹脂をふやかす=溶かす液体が、樹脂の容器に入っているのよ? かなり不安になる代物だけれど、これなら少量で安かった。700円ぐらいだったかな。
使いやすさを考慮して乳液状に作られている液体を塗りたくる。水性ってこともあり、劇的に塗装がめくれ上がって来ることは無いのかもしれない(今回は本来の用途である塗装面に使っていないのでわからない)けれど、缶に入っている普通の剥離剤よりも揮発が遅く、粘度が高く流れ落ちないのでゆっくり作業ができる。
塗ったあと10分ほど放置した状態。なかなか良さそうな予感。
軽く拭き取ると張り付いた服の表面は無くなっていた。塗ったそばから捲れ上がってこすると取れるってわけではなく、溶けて無くなったっぽい。張り付いたのがビニール袋だったりして厚みがある状態だとこうはいかないのだろうけれどね。
劇薬っぽさはあまり無いけれど、塗装を剥がすという危険な薬品にはかわりないので、良く水で拭き取っておきます。水性なので水で洗い落とせるし、心配ならカーシャンプー、無ければ中性洗剤を水で薄めたもので洗いましょう。また、作業中にフレームやエンジンなどにこの剥離剤がつかないよう十分注意しましょう。エキパイ以外を養生しておくとさらに安心ですな。
さて、エキパイの焼けはそのままにこびり付いた異物だけ取り除けたように見える。上出来じゃないか。でも本当に金属の地の深いところの跡まで取れているのかわからない。そこで後学のために一度焼けを取り除いて確認してみようか。
ステンレスの焼けを取るだけなら、ヨシムラのステンマジックは素晴らしい。(注:匂いはキツイです)前回はステンレスの地肌を整えたくてコンパウンドでひたすら磨いたけれど、片側で40分とか掛かってたんだよね。でも焼けを取るだけで金属の地肌を整えなくていいのなら、このステンマジックは1〜2度塗りこんでひと呼吸後磨き上げるで済む。もちろん焼けの程度によるけれどね。黒く光沢が無い状態だとこのステンマジックでは厳しいけれど、まだきつね色で金属の輝きを保っているのなら片側10分で終わる。
焼けを取っただけなので根元7、8センチは少し光沢が鈍い感じがするけれど、こびり付いた異物の跡は見受けられません。成功ですな。結局焼けを取るのなら剥離剤は要らなかったんじゃ?とか言っちゃいけないよ。エキパイにこびり付いた異物を剥離剤で落とせるかというのを実験、実証したかったのですから。
エキゾーストパイプに対するビニールなどの軽い張り付きなら剥離剤は有効であるという確信は持てた。
その確信のために結局左右のエキパイを磨かなければいけなかった(焼けの見た目のバランスを取るために)訳だけれど。しかしこの経験がこれからのバイク人生を快適にするはずなのです。
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H4バルブとUSBケーブル
http://newvespa.exblog.jp/30243565/
2020-10-11T19:56:00+09:00
2020-10-12T13:23:10+09:00
2020-10-04T22:30:21+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
先日、スピードツインの青い純正H4バルブが我慢ならないので摘出した。
安心のフィリップス製。ちゃんとした部品使ってるね。
交換したものは二つで1100円の少し怪しげなもの。AmazonによるとGE製だっていうんだけれど、バルブに刻印の類がない。GEの電球部門ってもうアジアに売り払ったんだっけ? 箱だけで信用しろってのもなんだか感じが悪いけれど、高効率バルブをうたうタイプを買ってみた。まあオートマベスパと違って現行トライアンフは電球があまり切れないという勝手な思い込みがある(あくまで思い込みです。統計的に正しいわけではありません)ので、切れやすい高効率バルブを入れてもそんなに困らないような気がしてね。
クリアならなんでも良かったのだけど、ガラス管の太さってこんなに違うのね。
ひと月以上経つけど特に問題もなく。高効率バルブだから明るいかって聞かれると……別に普通。(本気で明るくしたいならワット数の大きなものにするべし)すでにこのバルブで高速道路も走っているけれど、カットラインやグレアの出方が変わるようなこともなく……。たまに失敗をひくと妙に暗いバルブにあたったりするけれど、そういうこともない。
◇◇◇
10月からは東京都もGO TOトラベルが適応されるんだっけ?感染者数がそんなに減っていないのに?感染者数が爆発的に増えてはいないから、オープンエアなオートバイで出かけるぐらいはいいかなと思っているけれど、公共交通機関を使っての他県を跨ぐ移動とか、宿泊するのはまだまだ自重しています。非常事態宣言が発令された時の東京都民の恐怖感ってのは中々ぬぐえないような気がします。
◇◇◇
そんなGO TOトラベルとは無縁な僕達ですが、綺麗な空気を吸い、ゆっくり景色を見渡すと生き返る気がします。仲間とオートバイで走るのは三ヶ月ぶり?例年以上にツーリングできる日が貴重。
そんな半年ぶりのツーリングで突如ハンドルの左右のキレ角が変わる状況が発生。なんだか左だけハンドルを切るとぐにゃっとした感触。休憩のために停車した際に確認してみるとスマートフォン充電用のケーブルがハンドルストッパーに噛み込んでいた。あー。
もちろん充電できる状態ではないので、帰ってきてからケーブルを撤去。交換。
スピードツインの場合、シート下にUSB電源があるのでそれに繋ぐだけ。長さは1.5mがちょうど良い長さ。なお、スマートフォンをハンドルにつけるのなら先端がL字になっているものがスマート。
ケーブルをシリンダーヘッドのすぐ上へと通すので、熱対策でこういうラッピングできるスリーブを使っています。以前は配線をまとめたりするのはTESAテープを使っていたけれど<→以前の記事>あれはエンジンの熱どころか真夏の暑さですらべとつくので、ここ5年はこういうものを使っています。コルゲートチューブより柔らかくしなやかでミシミシと音がせず、テープ系のものより楽に美しく処理できます。
タンク裏には車体左側に配線をひっかけるフックがあるので、そのフックにひっかかるように取り回すと具合が良いです。タンク裏左側を通してバッテリー近くのUSB電源に無理なく取り回すの図。また、純正のUSB電源は3Aとかじゃないけれど、今の所不足は感じていません(iPhoneXの場合)。だからケーブルも2.4Aあれば十分かと。
ライトニングコネクタがハンドルストッパーに巻き込んだ原因は、ケーブルがフリーになった時にそこまで垂れる長さだったからなんだけど、今回は一旦右側のケーブルガイドへ通すようにしたので、気をつけていれば同じことは起こらないんじゃないかと思っています。
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Motogadget mo.viewという新・三角縁神獣鏡
http://newvespa.exblog.jp/30216072/
2020-09-16T22:19:00+09:00
2020-09-17T06:08:46+09:00
2020-09-12T19:26:02+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
「ところで、さん、リゾマのミラーってまだ持ってる?」「あるよ。要るならムラカミさんちに持ってくけど」
ストリートトリプルRで使っていたミラー<→過去の記事>は、ヒロシくんのモンスターのもとへ行くことになった。このミラーは各部の出来が良く、飛ばした時にも見やすい低い位置にセットできて、控えめなサイズなのに車検に通せる。とても気に入っていた。はじめは新しいスピードツインに移植しようかと思っていたのだけど、ミラー穴の開いたレバークランプなどを用意する必要があること、ボンネビルシリーズのクラシックな見た目に楕円のミラーが似合わないような気がすること、この2点で躊躇っていた。
スピードツイン純正のミラーは割と良く出来ていて、2009年のストリートトリプルRの時と違って(アレは慣らし中から不満だった)すぐにミラーを変える必要性を感じなかった。スピードツインの純正ミラーは現行のスピードトリプルなどと同じものじゃなかったかな。前傾姿勢をとっても割と良く見える位置にあるし、社外品のバーエンドミラーではありがち(だという印象。もう20年前の印象だけれど)な、徐々に緩んでくるようなこともない。
とまあ、純正のままでも良かったのだけれど、前回のヘッドライトと同じく少しクラシック側に寄せようというテーマで新しいミラーを買ってみた。手元にあったリゾマはヒロシくんの手に渡って腹が決まったってこともある。なんというかやっぱりクラシックに寄せるならミラーは真円のほうがいいんじゃないかと思い、モトガジェットのmo.view、ストリートというバーエンドミラーで車検に通るサイズのものをチョイス。
動画が17分とやたらと長いので、要約するとガラスを使わないでミラーを作っています。金属を限界まで研磨して、真空中でプラズマコーティングだとか難しいことをしています。最終的にはミラー面には二酸化ケイ素(つまりシリカ、圧力と温度で石英や水晶になる)の薄い層をもっているらしいです。
通常のガラスを使った鏡を貼り付ける方法ではないので、こんなに薄い。金属を磨いて鏡を作ると聞くと「三角縁神獣鏡」を思い浮かべるよね。小学性の頃は卑弥呼の鏡とかいう黒く、あるいは緑色に錆びた鏡の写真を見て昔のひとは大変だなあと思ったけれど、その後使われていた時は金色でピカピカに光っていたという事実を知り、当時の技術の高さに思いを馳せたことがある。金属を限界まで磨くと立派な鏡になるのは容易に想像できる。このモトガジェットのミラーも言わば現代版の三角縁神獣鏡。古代と現代で決定的な差を感じるのはバイク用ミラーとしてちゃんと凸面鏡面(convex)になっていて、写真で見ても極わずかに鏡面がラウンドしていること。Convex形状に研磨していくのはコンピューターじかけとはいえ、技術力が要りそうじゃない?
クランプの幅は10mmだけれど、実際にハンドルに直接触れるのは8mmと狭い。強く締め付けられるように真鍮が組み込まれているけれど、取り付けるハンドルバーが1インチの場合はこの真鍮は外さなければいけない。
実はミラー交換を決意させた理由がもうひとつある。スピードツイン純正ミラーの右だけが高速道路でかっ飛ぶと首をふるようになってきた。アームはびくともしないのだけれど、本体がつくボールジョイント部分が微妙に緩いというか。ハンドルに対してのクランプ部分ならいくらでも工夫できそうだけど、ボールジョイント部分は接着剤流すとかしか方法がないし、手で動かす限りは不具合を感じ取れないレベルというか、法定速度で走ってるなら何の問題もないことなので、保証で新品交換してもらうわけにもいかない。まあ、高速道路を降りるたびにミラーを微調整すればいいだけなのだけど。
そんなこともあってボールジェイントの硬さ、精度には敏感になっていたけれど、コイツのボールジョイントの具合はとてもいい。かなり硬い締め付け具合だけれど、どこにも引っかからずにスムーズに、そしてとてもゆっくりと動く。
さて。取り付けるために純正ミラーを外す。純正ミラーのクランプが頑強なのは、バーエンド部に切り欠きのあるアルミのプラグが仕込まれていて、同じく切り欠きのあるハンドルバー共々、この黒い樹脂パーツを被せるようになっている。切り欠きのおかげで回らない樹脂パーツにクランプすることでミラーが回らないわけだ。もちろん樹脂にアルミのアームを締め付けるので、締め心地はギシギシ、ミシミシいうけれど、機能としては問題ない。(余談だけれどデイトナ取扱のハイサイダーブランドのバーエンドミラーは内径30mmなので、たぶんこの樹脂パーツをそのまま使ってクランプできるはず。樹脂パーツの直径が30mm。)
モトガジェットのミラーはハンドルバーに直接取り付ける構造なので、樹脂パーツを外す。クランプの強度を下げないためには接地面積を最大化する必要がある。このアルミのプラグとハンドルバーの切り欠きは避けてクランプしたいところ。そうなると、純正の薄いバーエンドだとミラーとの間に隙間が出来てしまうことを確認。なんかこう、ペットボトルのキャップのような新しいバーエンドを用意しなくちゃ。
水冷ストリートスクランブラーとかT120とかの純正バーエンドがフィットしそうではあったけれど、ひとつ4000円とかする(左右二つの値段じゃなく一個でだ!)ので、自転車のコラムキャップ(トップキャップ)を用意。オーバーサイズのコラム用で、外径が32mmのDIXNA製。自らの立ち位置をよく弁えているDIXNAらしく、ロゴが内側にあるという奥ゆかしさ。ここで大切なのは内側というか底がフラットなところ。フラットだとスペーサーを限界まで薄くできる。
そして3mm×1、5mm×2、10mm×2のコラムスペーサーセットを用意。ここで重要なのは外径が32.5mmであること。アルミであれカーボンであれ通常1-1/8サイズのコラムスペーサーの外径は34mm以上なんだけど、それだとコラムキャップとの段差が目立ってカッコ悪いから。この約32mmの外径を持ったものは、ADEPT製しか見つからなかった。ちなみに外径32mmという数字は純正グリップの握り部分と同じ太さ。
以上の組み合わせで長さ可変のバーエンド(っぽいもの)が出来る。総額2000円ぐらい。
もともとこのスピードツインはバーエンドミラーとグリップの間がこんなに開いている。これは純正オプションのグリップヒーターを付けるため。純正のグリップヒーターは配線をハンドルの中へ通せるし(ハンドルにもそれ用の穴が開いている)、ヒーターの表示をメーターの液晶に表示させられて僕も欲しいのだけれど、その値段の高さにビビっています。で、現状はグリップヒーターは要らないかなって思っているのだけど、この隙間を埋めるのに今回用意した長さ可変式バーエンドもどきは具合が良いんじゃないかと。
ちなみに右が純正バーエンドキャップ。左がDIXNAのコラムキャップ。ぱっと見ほとんど同じ。
もっと言うと、グリップとミラーの隙間は左右で違う。たぶんグリップヒーターのスイッチがあるぶん左の方が隙間が大きいのだ。予定ではミラーからDIXNAのコラムキャップの間に挟むスペーサーの枚数でこの差を埋めるつもりだったけれど、実際にやってみると左右でバーエンド(のようなもの)の長さが違うのはカッコ悪かったので、左だけグリップとミラーの間に5mmスペーサーを挟むことにした。
なんとギリギリなこのクリアランスよ。ちなみに転倒した時に保護するというバーエンドの機能はまったくない。ミラーが衝撃をダイレクトに受けとめることになる。
しかし立ちごけ程度の衝撃だとステーが内側に倒れるだけなので、意外と大丈夫な気もする。通常のガラスミラーじゃないので、割れることはないだろうしね。本当は右ミラーのクランプ兼ステー角度決定のネジを逆ネジにしておいてもらえれば右ミラーも倒した時に簡単にステーが内側に入るのだけれどねえ。左右共通にすることで生産効率が上がるのだろうし、こんなことでさらに高額になっても困るので仕方がないかな。一応右側も転倒した時にステーが90度ほど内側に入りそうなネジ山の余力を残して締め付けている。控えめの締め付けトルクでもクランプの精度がいいのか、しっかりとまっています。
さて、少し走ってきたので簡単なインプレなどを少々。
1)すり抜け心配していたすり抜けの不自由さは残念ながら悪化した。純正ミラーと違って一度大きく前方に張り出さず手元にあるので車幅間隔は掴みやすいけれど、実寸法でミラー端からミラー端まで92cmあるので、やっぱり気を使う。今回のMotogadjetのミラーと最後まで比較検討したのはCRGのレーンスプリッターだったのだけど、あれは必要に応じて折りたためるので、すり抜けをよくするひとはあっちのほうがいいと思う。
2)風圧と振動もうひとつ心配していたのはスピードを出した時に首を振ってしまわないかということ。先述した「純正ミラーの右だけスピードを出すと動いてしまう」ようになってしまったこともあり気にしていたのだけど、これは全然大丈夫。CRGのレーンスプリッターは時速100マイルで風圧で折りたたまれてしまうというインプレを見てそれは困るなあと思っていたけれど、コイツはそんなことはなかった。しかし振動で像がブレて見えなくなるのは純正ミラーと同等のレッドゾーン手前1500rpmである5500rpmから。折りたたまれることはないけれど、上まで回している時には像はブレて見えない。CRGのレーンスプリッターは振動に対して強いらいいので、100マイル以上出さなければCRGのレーンスプリッター、100マイル以上出すならmo.viewストリートのほうが便利なのかな?
3)視界思ったより視界は狭い。これは少しガッカリだった。車検に通る直径94mm以上(直径96mm)なのに、どうも曲率が低いのか視界はそんなに広くない。車検に通る丸型ミラーだからってベスパみたいな100mm以上の感覚でいると小さいなって感じる。もちろん純正ミラーよりも視界は狭い。曲率の低さは像が小さくなりすぎないってことなので、悪いことばかりではないけれど、それでももう少し側方の視界が広いほうが走りやすいと思う。ただ極力外側へ張り出すようにステーを倒しているので自分の腕が映ることが一切なく、真後ろの視界は良好。しかも前傾したり肘を張ったポジションをとってもちゃんと見えるのは優秀だった。
4)取り扱い鏡面部分は通常のガラスを使わず小難しい特殊なコーテング層があるせいで、鏡面の清掃は水もしくは中性洗剤のみ使用、柔らかい布で拭き取れとなっている。特に研磨剤の入った薬品は厳禁となっていて、取り扱いに気を使う。バイクを押してUターンするような時にミラーが腕に当たりがちで半袖だと鏡面に腕の皮脂がつきやすいのよね。研磨剤の入っていないものなら別に問題ないでしょとか言って、いずれ家庭用のガラスクリーナーとか使ってそうな未来が見える。
◇◇◇
このミラー、一番のネックはその価格かなぁ。新型コロナの影響で二回も泊りの長距離ツーリングが中止になり、飲みにいく機会も極端に減り浮いたお金で勢いに任せて買っちゃったけれど、国内正規で一つ17500円というのはなかなかの強気値段だと思う。リゾマのミラーも大概の値段だけれど、それに匹敵する値段付け。ただし製造方法が特殊なので、リゾマのように中華製のコピー製品が簡単に出回ることがないっていうのは嬉しいかもね。
オートバイのミラーも近い将来カメラを介したモニターになり、ヘルメットのシールドや網膜に直接投影?あるいはメーター付近に表示するようになるのかな。でも未だにクラシックな造形のオートバイが売れ、本当は必要のないフォークブーツやエンジンのフィンなどをありがたがっているような人間からすると、そのシンプルさ、信頼性により今すぐ物理的なミラーがなくなることはないと思う。例え法的な足かせがなくてもこれからもミラーという製品は作られる。そのミラーという存在に対して素材において革新をもたらさんとするこのMotogadget社に、お布施してみたっていう話でした。保安備品ひとつに長々と記事書いてごめんなさいね。
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WIPAC + LUCAS
http://newvespa.exblog.jp/30199102/
2020-08-30T01:25:00+09:00
2020-09-12T00:42:13+09:00
2020-08-29T22:41:15+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
Speed Twinに乗り始めてから、いや、納車される前から手を入れたかったことがある。
この純正ヘッドライトを是非ともなんとかしたい。照射パターンや明るさは十分なんだけれどさ。ハロゲンのマルチリフレクター式ヘッドライトにLEDのデイライトが組み込まれているこの感じが、なんだか中途半端な気がするのです。青みを帯びたLEDのデイライトに色を合わせるために、青いH4バルブ使ってるし、それでも色合ってねーし。
メインまで全てLEDなら、それはそれで良かったのだけどねえ…。
モダンクラシックとはいえ、こんなところに微妙なモダンさは要らないんだよなあと思ってた。ライトケースのフォルムも(空冷時代の新生ボンネビルシリーズから既にそうなんだけど)妙にずんぐりとしていて、英国車的な佇まいではない。SR400で20歳を迎えた人間としては、旧車じゃなくても一応トライアンフと名のつく乗り物に乗っていて、しかも三気筒から二気筒に乗り換えたんだから、ルーカス製の綺麗なフォルムのヘッドライトを付けたい。そう考えて、用意だけは進めていた。
一番の問題は現行のマシンらしく、純正ライトケース(シェル)の中にはかなりギュウギュウに配線やカプラーが収めてあって、あまりコンパクトなライトにするのはハードルが高い(配線を短くつなぎ直すとか、フレームに配線を引き戻せばいいのだけど、新車保証のある期間にやることではないかなという判断)。納車される前は、昔のスクランブラー的サイドマウント5.75インチヘッドライトを使いたいと思っていたけれど、純正のメーター(これは多機能で気に入っていて変えたくない)とのバランスを考慮し、7インチのヘッドライトを使うことにした。ただ、新車のハーネスを弄るのは気分的に嫌なので、ブリティッシュビートさんに交換作業をお願い(丸投げともいう)したら、ケース外の配線を丁寧に揃えてくれて、ケース内も上の写真のようにまずまずの余裕を持った状態で仕上げてもらえた。感謝感謝。
こちらからお願いしたのは、ライトケースにもともと空いている下3穴は極力使わないこと。限界までケースを上方に上げるとケースがキーシリンダーとぶつかるのでキーシリンダーを避けるように後ろに大きめの穴をあけてそこから配線を引き込んでほしいこと。この2点。ライトケースはルーカスのリビルド品でファイバー製。(伝統的な鉄のメッキケースって割と簡単に錆びるので。やっぱり錆びない方が良い)もともと空いている下3穴の内、左右の2穴は使わないので、膜付きグロメットで蓋をする。
リムにだけ、ちゃんとルーカスの名が。今はイギリスのWassell製になってるんだっけ?よく知らないけれどさ。
ライト本体はブリティッシュビートお薦めの、イギリスWipac社のQUADOPTICというもの。なんでも確実に車検を通せると自信を持って薦められるものらしい。確かにSR400に乗ってた頃、古いルーカス製のレンズを入れたら車検通らないって言われたっけ。旧車屋さんならではのアドバイスが心強い。車検のたびに入れ替えるのはとても面倒だものね。
さて、そのWipac製のライトは実際どうなのか、写真に撮ってみた。うん、思ってたより明るいし照射パターンもまずまず。
せっかくなので、二年前にベスパのヘッドライトの検証をしていた設定、絞りf2.8、シャッタースピード1/4秒、ISO感度200、夜10時頃と条件を合わせて撮り比べてみた画像。 上段がVespa GTS250、下段がTriumph SPEED TWIN。カメラ側の色温度を固定していないのと、トライアンフは純正の薄く青色着色されたH4バルブをそのまま使っているので、色味は違うけれど、定評のある(自分の中でね)ベスパGTSのハロゲンと比べても照射角が広く、光束中心の明るさも明るい。(少し手前の照射ムラが残念だけど)シビエの7インチを写真で撮り比べたことがないけれど、たぶんアレに迫るほど優秀なんじゃないだろうか。根本的にはバルブの問題だけれどカットラインもはっきり出すぎていて目がチラチラするぐらい現代的。
レンズカットは細かく繊細で素敵。思うにガラスの薄さ?透明度?と、カット(レンズに刻んでいる溝の深さ)が浅いから光量を犠牲にしていないのかもね。カット入りレンズのわりにそれほどドーム状に丸みを帯びていないのはちょっと惜しいけれど、まあこのカットパターンと相まってこれはこれで上品で良い。
ヘッドライトの高さをコントロールしたいので、ライトステーも交換。それに伴いウインカーもフォークの後ろへと移設。どちらのステーも削り出しのアルミで精度が高く嬉しい。
ヘッドライトの高さを微調整。あと上へ4mm、下へ18mm下げられる(フォークに対して。22.8度のキャスター角が付くので実際の高さではない)のだけど、とりあえずはこんなところ。純正と同じ7インチライトでも、ヘッドライトケースのサイズがひとまわり小さくなり、純正の位置より少し高めにセットしている。 うーん。バランス崩れたかなって思わなくもないんだ。
当たり前だけど旧車用のパーツを組み付けたからって旧車のフォルムになるわけではない。タンクやシートが前傾しているし、そもそも前後17インチだし。現代的な走行性能を担保した上で、いかにそれらしい見た目にするかがモダンクラシックの命題だとして、だ。ブリティッシュカスタムズのパーツを使ってサイレンサーの角度を上げ、ハンドルを下げるという現代的な手法のあと、本来ならばもっとヘッドライトをフォーク側へ引き寄せ、高さも低くしたほうがバランスは取りやすい。でもそれで進めていくと些かモダンすぎるんじゃないかと、一度クラシック側に振ってみよう!というのが今回のテーマなのでした。
◇◇◇
昨年末の仕事から今年もコロナだなんだで検討や部品取り寄せだけで組み込みできていなかったのだけれど、このプランがほぼ1年ごしで完成したのは嬉しい。これで「買ってあるけれどまだ組み込めていない部品」が全て無くなった。すっきりすっきり。
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コロナ禍でのベスパさん近況報告
http://newvespa.exblog.jp/30182650/
2020-08-16T22:17:00+09:00
2020-08-16T23:36:16+09:00
2020-08-16T21:48:49+09:00
la_nuavo_vespa
GTS250ie
新型コロナ禍で気づいたことがある。毎日リモートワークしていると当然ベスパに乗る機会も激減し距離が全然のびない。3月半ばから8月半ば現在で、走行距離が1000kmしか増えていないのだもの。しかし距離が伸びない分、故障する頻度が減るかというとそうでもない。7万キロごとに車体そのものを交換する消耗品と化しているオートマベスパなので、走行距離が伸びないのは喜ばしいはずなんだけれど、やっぱり適度に動かしてるほうが調子がいい気がします。
●4月のはじめ、制動灯の球が切れた。GTS250/300シリーズは尾灯と制動灯で球が分かれていて、さらにナンバー灯も含めて3つのウエッジ球がひとつのユニットに刺さっているのだけど、尾灯、ナンバー灯はT10バルブ、制動灯だけがT15バルブだかを使っている。自宅で備蓄しているのはT10バルブだけなので、仕方なくT10バルブを挿しておいた。(差し込み幅は同じ9.5mm幅なので刺さることは刺さる。)
画像はM&Hマツシマより拝借
ウエッジ球の名前って球の一番太い部分(単位はmm)を指してT××と呼んでいていて、本当は定格も変わるはずなんだけれど、今の所問題ないねえ。
●5月、リアタイヤバルブのムシが寿命を迎えた釘でも踏んだかなと村上さんのところへ持っていくと原因はバルブだった。ほんとはL型バルブに変えたいところだったけれど、そんなことで量販店へ行くのも不要不急な用事(まだ緊急事態宣言中だった頃なので)かと思い、在庫のある通常のバルブで対処していただくことに。
●そして本日8月16日、シートがちゃんと閉まらないことに気づく正確には昨日8月15日に気づいたのだけれど、シートオープンのボタンを押しても音だけして動かない。というか閉まった状態で固定され、その上にシートが乗っかっている状態。原因は上の写真で示した部分が潰れていること。ムラカミさんによると可動部を挟んでいる二枚の鉄板のバリをヤスリで削ることで修理可能なんだそうです。(下の写真が修理後)
「使い方が荒い人はこうなるのよねぇ」「全開状態からバーンと落とすようにシート閉めるような人間は、ベスパだけじゃなくバイク乗る資格なしだぜ?(意訳)」だそうです。マジか…緑のGT200Lから17年、オートマベスパを乗り継いできて初めて知ったぞ。シートは丁寧に閉めましょうね。
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Deus Ex Machina Asakusa
http://newvespa.exblog.jp/30164633/
2020-08-02T17:51:00+09:00
2020-08-03T05:11:31+09:00
2020-08-02T16:36:20+09:00
la_nuavo_vespa
東京の目じるし
先週の四連休。我が家ではゴールデンウイークの続きをせっせとこなしていました。
引っ越してはや6年、汚れてきていた壁の一角を明るい緑色に塗る。
そして塗った壁を本棚で隠す。意味ねー(笑。
コロナで遠出するのは憚れるので家の中で遊んでいるけれど、そろそろ手を入れたいところが少なくなってきています。
ここのところ、また陽性者数が増えてきている(大事なのは率だと思うけどね)ので、県をまたぐ外出はしずらいけれど、たまに近くを散歩するぐらいは認められる状況だよねってことで、気分転換に時々トライアンフに火を入れています。
先々月、浅草から歩いて行ける範囲にDeus Ex Machinaが引っ越してきた。隅田川を渡る新しい遊歩道の向こうなので住所は墨田区向島になるのだけど、名前はDeus Ex Machina Asakusa。
原宿にあった時は、普通のライダーがちょっとコーヒー飲むには入りづらいというか、お高くとまってる感があったけれど、さすがは浅草、少し庶民的になったような気がする。お値段も写真下のフラットホワイトは550円、アメリカーノだと500円と意外とリーズナブル。なお、コロナが心配でもテラス席があるので、比較的安心。
お店のSR400。浅草とSRってのも妙にしっくりくる。これが代官山とか青山だと外車にしたいところだけど、浅草だからね。日本的な方が似合う。
店内のHonda GL400。お値段160万円! カスタムビルダー、特に外国のひとってGL500好きだよねぇ。
ホンダの縦置きVツインが世の中にどれだけ生き残っているのかしらないけれど、ちょっと前のグッチのほうが多いだろうにねぇ。ホンダってのがいいんだったら、日本人としては嬉しいね。
◇◇◇
SP忠男が浅草に引っ越してきたときも嬉しかったけれど、オートバイ関連のお店が浅草近くにどんどん出来てくれるといいな。最近の大きな流れとして、東京の二輪業界の中心が吉祥寺とか三鷹とか随分西の方になってきているような印象を受けていたので、東京東部も頑張って欲しいのです。
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ご先祖様 5T Spped Twin (1947)
http://newvespa.exblog.jp/30133866/
2020-07-11T19:55:00+09:00
2020-07-11T20:39:35+09:00
2020-07-08T23:57:37+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
先日、ブリティッシュビートさんのインスタグラムで綺麗な旧車のスピードツインが入庫してるということを知り、見学させてもらってきた。いや、旧車を維持できる甲斐性が僕にあるわけではないのだけど、自分の乗っているスピードツインと同じ名前の旧車をちゃんと見ておきたかったのです。
現在のトライアンフのセールストークでは、現行のスピードツイン1200がこの旧スピードツインの血を受け継いでいるということになっていたりする。
でも現行のスピードツインはスピードトリプルのツイン版という意味合いで開発していたフシがあって、プロトタイプのスパイショットではちょっと前のスピードトリプルと同じベイツタイプの丸目二眼ヘッドライトがついていたりして、近年のデイトナに対してのスピードトリプルのように、スラクストンに対してのスピードツインというラインナップにしたかったんじゃないのかと想像しています。まあ、もともとスピードトリプルという名前が旧スピードツインをもじったものなのだから、名前が先祖返りしたっていう意味合いでは、現行スピードツイン1200のルーツが旧スピードツインにあると言えるのだけど、ダイレクトに旧スピードツインのDNAがどうのって言われると、なんだかなぁって思ってしまう。
トライアンフ初の二気筒モデルで、歴史に名を残すモデルに対しておこがましいような気持ちを抱いてしまうのです。現行のT100やT120でも同じなんだけど、トライアンフのモダンクラシックレンジの車名のつけ方にはどうにもモヤモヤした気持ちになることが多い。文字だけではいつのバイクだかわからない。これは一度倒産してることのコンプレックスなんじゃないのかなぁ。タイガーやサンダーバードみたいに新しい動物の名前でもつけといてくれればいいのにと思うのだけど、一度倒れたことを気にしてメリデン時代との連続性をことさら大げさに主張しているようにみえる。
という前置きをしたうえで、本家本元のスピードツインを見ていきましょう。聞くとこの車体は1947モデルだけれど、1937モデル(1937がファーストイヤー)のガーターフォークに換装されているんだそうな。ヘッドライトはガーターフォーク時代のものでは無いっぽい? なお、塗装は概ねオリジナルでアマランスレッドと名付けられていたらしい。アマランスとは穀物のアマランサス(ヒユ科の植物)のことで、食用だけでなく花が染料として使われる。今ではレッドというよりマゼンタやピンクに近い印象の色を指すけれど、当時は花そのものではなく、染め終えた布の色を指したのかもね。いずれにしても、この5Tスピードツインに塗られているのは明るく派手なピンク系の色ではなく、暗くて渋い、ダウントンアビーに出てきそうな感じのクラシックな色。(余談だけれど、ダウントンアビーでカーソンさんとヒューズさんが結婚するのが1925年)
グリップをホワイトにしていたりと、少しアメリカな佇まい。一方、上半身の起き具合と比べて、ステップが前過ぎない位置にあるので、意外とニーグリップしやすそう。このあたりは、チョッパーとは違うお行儀の良さで好印象。
燃料タンクの容量は15.9Lなんだってさ。現行モデルはガソリンタンクに燃料ポンプを組み込まなければいけなかったり、そもそもフレームが太かったりして、タンクの外寸のわりに容量が稼げないのだけれど、さすがは旧車、タンク上面に計器類を入れてもなおこの容量ってのはなかなか魅力的。排ガスに対する規制はないし、燃費なんて気にしてない古い機械だけれど、500ccの27bhpだから航続距離もそこそこありそうだよね。
正直、せっかく貴重なモデルを見せていただいているのに、どこに注目するべき点があるのか旧車に疎いのでわからない。「アレ?チェーンは普通に左にあるじゃないか」とか、「この頃の塗装は現在の薄く均一な高精度の塗装と違ってやけにコッテリしてて風情があるな」とか、「バッテリー積んだんだ」とか、そんな程度。目視で分かる現行スピードツインとの相似点がどこかに無いかしら?と思ってたんだけどねぇ。マシンのシルエットでいえば現行ボバーの方が近いし、しいて言えばガソリンタンクのラインの一部が手描きってことくらい?そんなん意味ある?(笑
このマシンが発表された当時、主流だった単気筒500ccはもっとハイパワーだったけれど、先鞭をつけるべく世に出したってのはホンダのヨンフォアっぽいのかな。また、このマシンが二気筒なのに多くの単気筒よりわずかに軽量だったっていうのは、それまでのトラの水冷1200に比べて軽い現行のスピードツインっぽさがある?いや無いか。
◇◇◇
この5T Speed Twinのことを調べていて面白かったのは、「In 1953, the Speed Twin caused controversy among traditional British riders as the generator and magneto were replaced with a Lucas alternator and battery/coil ignition system.」というWikipediaの記述。要約すると「1953年、それまでのマグネトー点火からルーカス製のバッテリー点火システムへと置き変える際には伝統的な英国ライダー達の論争を引き起こした」ってことだと思うけれど、平均的な現代人には微笑ましく見える。もちろん、重くなるし、構造も複雑になるし、バッテリーなんぞ信用ならんっていう1953年当時の人々の気持ちは理解できるけれど、今となっては始動性が上がるんならいいんじゃない?ぐらいにしか思わない。(現代人でもマニアな方々はどうだか知らんけれど)
1953年に生きた人々の論争も、彼らからみて未来人である2020年の我々の、空冷と水冷の違いやライドバイワイヤやトラクションコントロールの是非について論じているのと変わらないのかもね。さらに50年後、2070年の未来の人間からすると、ガソリン燃やして走ってるんだよね? 空冷だろうが水冷だろうが、本物のエキゾーストノートが楽しめるんでしょ?変わらず面白いじゃないかって思うだろうし、さらに50年後の3020年の未来人からすると地面に車輪押し付けて体も剥き出しで走ってるんだよね? 動力が電力だろうが、内燃機だろうが関係なくない?命知らずでエキサイティングじゃないかって思うんだろうね。
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Speed Twinの積載を考える その2 Kriega US-5
http://newvespa.exblog.jp/30122521/
2020-06-30T23:26:00+09:00
2020-07-01T03:56:56+09:00
2020-06-30T20:53:46+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
昨年、最小限な積載方法として、左右のシートレールに0.5Lの小さなバッグを取り付けたスピードツイン。このバッグにはツーリング時に合羽を無理やり押し込んでいたのだけれど、実際に使い始めてから気づいたことがある。取り出しはまだしも詰め込む際には丁寧にやらないとうまく入らなくて、急いでいるときには本当にイライラする。そして合羽を出し入れするときはだいたい急いでいる時なのだ。非常時用ならいいのだけど、日常的に使うにはちょっと無理がある。
いや、そんな気はしてたんだけどさ…。とにかく車体のシルエットを崩したくなかったのよ…。リーズナブルだったし…。でもちょっと考えが甘かったな。
という反省のもと、日帰りツーリング用にKriega US-5ドライパックを買ってみた。
ストリートトリプルRと違い、ガソリンタンクの高さがシートの高さより大幅に高いことを鑑み、今後はタンクバッグではなくシートバッグを使っていこうかと思う。(料金所で跨ったまま出し入れできるタンクバッグは便利なんだけどね…)
容量は名前の通り、5リットル。写真左、TRX850やストリートトリプルRでかれこれ12年も使ってきたタンクバッグ、GIVIのT409〈→以前の記事〉が2.5Lだから、倍の容量ってことになる。GIVIのT409も使い勝手のいいサイズ感が気に入っていて、補修を繰り返しながら使ってきたけれど、もう少しだけ入ればいいのになってずっと思い続けていた。日帰りツーリング用バッグの容量アップは悲願だったのです(笑。
容量をいきなり2倍にする必要ある?日帰りで5Lなんてストイックさが足りないんじゃないの?贅沢すぎやしないか? 贅沢は敵ぞ?
とも思ったけれど、荷物が少ないときは結果的に薄くなるので良しとした。
(成形していないただの袋だからね)
もうひとつ、GIVIのT409を使っていて欲しいなと思っていたのは防水機能。Kriegaの防水性は外側のファブリックではなくインナーの白い袋で達成されているのだけど、これが補修部品としてちゃんとラインナップされているのが心強い。実はKriegaの製品は昨年あたりでリニューアルされていて、このUS-5も前モデルと比べて少し幅が広くなった。このモデルチェンジがあったからこそ手を出したってのもある。なんかスピードツインのシートに収まりが良くなったし、開口部が大きくなって使いやすそうになった。
僕にとって防水であることの重要性は、カメラを入れる時とインナーダウンを入れる時。インナーダウン+合羽上下がなんなく入るし、試しに我が家で一番でかいotoboke-yaさんの望遠レンズ、EF70-300mm F4-5.6 IS2を付けた5D MarkⅣを入れてみたら、無理なく入った。(厚みは少しもっこりします。またこの場合は合羽とかは入りそうにありません)
Hypalonというクリーガらしい、不思議な素材の面積がモデルチェンジで少なくなったのは寂しいけれど、420デニールのコーデュラも紫外線で赤く色あせた時に染めQで補修しやすいので、悪いことばっかりでは無い。お値段は割高(送料と税込みで13000円ぐらいした)だけれど、とにかくこのフックストラップのシステム(単品で買うと3200円する)が欲しかった。
スピードツインのシートにはこんなループがあらかじめ付いていて(純正オプションシートも含めて、たぶん水冷2気筒はみんな付いてるんじゃないのかな。知らんけど)前側のフックはこれに掛ければ良い。同じ英国企業としてなんかあるのかね。以前は純正オプションでKriega製品多かったしさ。
後ろ側のフックを掛けるループは車体側に用意しなくちゃいけない。シートレールが普通に丸パイプのトラの水冷二気筒シリーズなら同封のストラップを通せばいいけれど、外した時の見た目を考えるとキャリア用のネジ穴にくっつけたいところ。(専用設計のマウントシステムが、ドゥカティのスクランブラー、パニガーレ、ディアベル、アプリリアのトゥオーノ、トラアインフならスピード/ストリートトリプルなんかはあるみたい)同封のストラップをちょん切ってもいいけれど、それは温存したいかなって考えはじめる。
「クリーガのフックストラップのシステムが欲しかった」と先に触れたけれど、このストラップの素材のハリがなかなかよくて、安物と違いクタッとしないのです。お泊まりバッグであるホンダのシートバッグのストラップなんかは、ストラップが柔らかくて使ってないときは垂れてしまうのだけど、クリーガのそれは割とピンとしてる。
マイクロゲージで測り、厚み1.4mmなら同じなんじゃないかと取り寄せたのが、送料込み500円で8.5m巻きのPPテープ。
うん、どんぴしゃ、硬さも含めて同じもののように見える。
無駄に8.5mもあるからね、失敗とか気にせずチョキチョキ。M8の穴を開ける時にセンターが出なかったりして一度失敗したけれど、切り口をライターで炙って溶かして…。
こうです。なおテストした結果、穴のセンターからループ先端まで80mmぐらいが一番具合が良かった。(スピードツインのシートの場合)
そして、キャリア用に開けられたものだと思われる使っていないネジ穴にとめる。
もともとシートに装備されている前側のループも含めてこれで4つのループが完成。
ループにしっかりとしたハリというかコシがあるので、使ってないときはこんな風に収納できて不意に出て来ない。あとフックを通す時もこのハリというかコシが快適。とても細かいことだけど、毎月ツーリングに行く時にこのあたりが使いにくいと地味にイライラするからさ。一度付けたら今後何年も付き合うのだからちゃんとしておこうとね。
さて、日曜日。
県をまたぐ移動の自粛が緩められたので、いつものみんなと久々のツーリング。
あいにく雨に降られたりしたけれど、クリーガさんにとっては本領発揮。防水なのはやっぱりいい!
GIVIのT409はそのサイズ=開口面積で、対してクリーガではロールトップ式になって使いにくいかと危惧していたけれど、まあ許せる範囲ではあった。もちろん奥のものは手前の物を一度取り出してからじゃないとアクセスできないけれど、メインコンパートメントには合羽上下とコンデジしか入れていないので、そんなに苦じゃない。細かいものはメインじゃないポケットに入れているので、あたふたすることもなかったかな。むしろポケット内に放り込んであった小物(目薬とか)を手探りで取り出す時に手間取る感じ。もう一箇所くらいポケットが欲しいと思った。
比較的薄いバッグなので、車体のシルエットをそんなに崩さないというのはまあ、そうね。荷物の増減で厚みを絞れるのはいいかな。さらに言うと旅人っぽい風情があるのもいい。国産のデグナーやゴールドウィンの中にもそういう商品はいくつかあるけれど、クリーガも相当旅人気分を醸し出してくれる。
なんだろう、バッグがヤレた状態になってもカッコいいんじゃないかと思わせる雰囲気があるっていうかね。今時のお洒落なサイドバッグやパニアとも少し違う、ハイウエイをぶっ飛ばしたり、オフロードを走破したりするような、ハードな印象を受けます。
とまあ、なかなか魅力的なUS-5だけれど、その分、今までのハーネスポケットは要らなくなる。それぐらいの収納力…なんだけれど、US-5で感じた「もうひとつポケットがあると便利なのにな」って問題を担ってもらおうかと今の所思っています。特にマスクがまだまだ必要なこの時期、ふんわり入れられてすぐに取り出せるのは便利でした。奥のポンプの消毒用アルコールジェルとともに対新型コロナ専用バッグと化しています。
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スピードツインのリコール
http://newvespa.exblog.jp/30105649/
2020-06-17T23:44:00+09:00
2020-06-26T15:28:32+09:00
2020-06-17T21:06:15+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
6月も中旬。いまだにテレワーク中の毎日です。東京都民14,002,973人(2020年5月1日推計)のうち、今日は何人の感染が判明したのかに一喜一憂してるうちに季節は巡っているんだよね。テレワークで普段家に篭ってるとその実感がなくて当惑するけれど。
一番強力な自粛要請下にあった4月中旬。このころ届いていたスピードツイン、リコールのお知らせ。読むと「ギアチェンジリンケージのネジ部分において作業手順が不適切だったためネジロック剤の効果がなくなっているものがある」とかいう。まあ不要不急って感じのリコールだよなと放っておいたけれど、あと数日で休業要請も全て解除、県をまたいだ移動の自粛も解除されるというのでお店に行くことにした。
ギアチェンジリンケージのネジ部分って具体的にどこよ?ってことで写真をずずいとクローズアップして…。
このシフトペダルとシャフトを結ぶリンクロッドの両端のことらしい。(ペダルの高さを調節するために長さを変えるネジ部分ではないよ。こんなとこにネジロック剤なんて付いてたら不便極まりない)
いまの多くのオートバイでは通常このロッドの両端はピロボールになっていて、そのピロボールを止めているネジのロック剤が“製造工程の不適切な作業手順”により緩んでくるらしい。
さて、実際のところどうだったのかというと、やっぱり緩んでいたらしい。
仮にこのまま放置したとしよう。最悪外れてしまったとしても(完全に外れる前にシフトがどうもうまく決まらないとか気づきそうなもんだけど)シフトチェンジできなくなるだけで、命に直結するようなことでもなく、気づいたときにまた繋ぎ直せばいいだけな気もするけれどね。両端のピロボールが同時に外れないかぎりリンクロッドはぶら下がったままだろうし。出先で都合よく適当なネジが手に入らなければ困るけれど、手でなんとか3速にでも入れ、3速固定で帰ってくればよし(適当)。
いやいや、何事もないほうがいいのは決まってる。死ななきゃいいっていうことじゃなくてさ。新型コロナウィルスじゃないけれど、自分だけは大丈夫とかは思わない方がいいよねって話。
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バー1本分の違い
http://newvespa.exblog.jp/30082525/
2020-06-01T00:31:00+09:00
2020-09-25T15:22:33+09:00
2020-05-31T13:29:03+09:00
la_nuavo_vespa
Speed Twin
作りも音質も良いものの、ちょっと跳ね上がりすぎな角度が微妙な気もするブリティッシュカスタムズのサイレンサー。セールしていたとはいえ、これだけのために送料かけるのも馬鹿らしいので一緒に注文していたものがある。
ブリティッシュカスタムズ製1-1/8インチ用のハンドルクランプ。トライアンフのボンネビルシリーズを考慮して作られているハンドルポストで、もともと空冷ボンネにオーバーサイズバーを入れるために作られた商品なのかな。
純正のハンドルポストは56.5mm。
このハンドルポストは34.5mm。その差22mm。さらに純正は手前に5mmほどオフセットしてるけれど、このハンドルポストはオフセットが0。バー1本分ぐらいハンドルが遠くなる。
調べた限り汎用品として売られている1-1/8インチで最も短いハンドルポストは30mmちょいだったので、比較的短いハンドルポストだと言える。構造は上からボルトの頭をがっちり咥える形になっていて、下からナットで締め付ける。(ちなみに純正はアルミのポストにネジ山が切られていて下からボルトを刺す形。純正はM10細目のボルトでこっちはM10並目のボルトなのでボルトの再利用はできません。同封されている長い方のボルトがスピードツインにフィットします)
カスタムハーレーっぽいテイストの4ボルトクランプ、素材はアルミ。仕上げがアルマイトではなく塗装ってのが特徴的。
なお、短くなってるのに、重量は誤差レベルの違いしかない。無駄にボルトが4本もあるからねぇ。。。
取り付けそのものは、ブリティッシュカスタムズのサイトに1インチの水冷T120を題材に詳しいPDFがあるのでそちらを参照してもらうとして。前から気になっていたバーに近すぎるブレーキフルードのタンクを少しずらす。
純正のステーのままだとタンクの回りどめの爪を切らなきゃいけなかったけれど、これでハンドルバーのラインが綺麗に見える。極めて個人的な美意識だけど。
ハンドルバー1本分下げるだけなら当然ケーブルの長さは変える必要がないけれど、ラインを少し整えた後に纏めてるクリップをつけ直したほうがいい。写真はないけれど、ABS用のラインとブレーキホースを纏めているクリップもね。
肝心の効果はというと、ずいぶん乗りやすくなった。まだ県を跨いで山を走りに行ける状況ではないので断定できないものの、以下の3点の効果は実感している。
1)ブレーキからコーナー進入の動作が自然になった。
やはり動的に前輪荷重をかけやすく、ごく自然にフロントが入る。今までは微妙に高い位置にグリップがあり少し肩が張ったような印象で、加減速時に起きた上半身をささえる腹筋背筋と肘の曲がりのきつい二の腕でじわじわと体力が奪われる感じだったけれど、それが少し普通のオートバイのポジションに近づいたというかさ。まだ各社のストリートファイターほどビシっと決まるポジションではないけれど、少しだけコーナーでの動作が楽になりそうだぞって予感がある。バー1本分しか変わってないのに、印象は随分と違う。
2)全開加速時の安定感が増した。
もともとニーグリップのしにくいタンク形状と、がっちりお尻をホールドしてくれないシート形状によりイマイチ下半身が安定しないのがこのスピードツイン。全開加速時は振り落とされそうなイメージが付き纏う。実際のスピード以上にその下半身の不安定さから不必要にトルクを感じさせられるというような…。ゆっくり走っている時はとても楽チンなポジションでそれはアメリカ的おおらかさではあったけれど、ひとたび全開加速に入ったり、高速道路で風圧に耐え続けている時にはどうにも落ち着かないんだよね。なんか不安な気持ちになるのです。しかし少し前傾姿勢をとりやすくなったことでその不安感が多少和らいだ。欲を言えばさらにもう少しハンドルを下げたいところだけれど、そうなるとハンドルを交換するしかないので、とりあえずはこれで様子見。
3)真正面から見たときにハンドルポストがメーターに隠れるようになって、好みの見た目になった。
あくまで見た目の話で、個人的な趣向でもある。やっぱり伝統的なトライアンフのデザイン手法としてハンドルポストが高いのはなんかねぇ。ハンドルが高いのは別にいいんだけど、ハンドルポストが高いのはなんか違う。仮にグリップ位置が同じでも、低いハンドルポストから伸びやかにラインを描いているハンドルの方が好みです。まあ伝統的ってことなら、手前に思い切り引かれたポストである必要があるんだろうけどね。
◇◇◇
たったバー1本分の違いなのに乗り味が変わるのは不思議だよね。交換する前はバー1本分じゃ気休めにしかならんかな?セパレートハンドルに換装しないと意味ないかな?って思っていたけれど、意外と効果的な働きをしてくれています。乗りやすいっていうのはともすれば退屈という感覚に陥りやすいけれど、乗り物としてのあるべき姿としてはこちらの方が正しいと感じられるし、もちろんそんなのはそれぞれの体格にもよるのだけど、正しい動作で乗れるポジションというのはやっぱり大事だとも思う。正しくなった分、刺激が欲しければペースをあげればいいのよ。どうせ飛ばしてもそんなに速くない種類のオートバイだもの。
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