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空冷ボクサーツインの最終形?
ウチのトライアンフも最後の部品が届きもうすぐ完全に直りそう。
よって「空冷のレンタルバイクでツーリングしよう」企画もおそらく今回が最後。




レンタルバイクに登録されている車種の中で空冷マシンを!ってことなら、
ホンダのCB1100、ハーレーのXL1200なんかは台数も多く、簡単に予約がとれる。
実際ハーレーのXL1200X フォーティーエイトは借りてみようかなと考えたことがあったのだけど、
燃料タンクが7.9Lと聞いて断念した。(燃費次第だけど100kmちょっとで給油とは…)

ずっと借りてみたいと思っていたのはBMWのR nineT。台数が少なく人気もあり、
土日は一ヵ月先まで予約が埋まってる状態だったんだけれど、7月10日だけキャンセルが出た。
よし借りよう。一日だけ、朝11時に借り夜7時に返す8時間レンタルとしたので、
遠くまで行くんじゃなく、奥多摩周辺をひたすら走ることにしよう。

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ひろしクンを誘って上野原ICから鶴峠、小菅、丹波山、大菩薩ラインを通って柳沢峠と、
車通りの少ない峠道を選んで繋いで行く。

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R nineTはエンジンの主張がとても強い乗りものだった。
全てのボクサーツインが空冷だった1100や1150時代のマシンと比べても、こんなに味の濃いエンジンだったかなぁ、排気量の増大で結果的に強調されてるのかなあ、なんて思いながら乗っていた。
アクセル煽るとちゃんと(?)右に傾くし。

1200ccの大排気量、フライホイールが重いようなドルンドルンとした回り方。
それを今までのボクサーツインの他の車種より比較的コンパクトなシャーシーに乗せてるから、
よりエンジンの存在が際立って感じるのかもしれないね。

中低速トルクが太いのと、回転の落ちが遅い分バックトルクが少なくパーシャル状態でトルクが余剰に残ってるというか、必要以上に前に進んじゃう感触があり、車重もBMWにしては軽いのかもしれないけど、それでもそれなりに重く(装備で222kg)それが慣性となるので、コーナー進入スピードをはかるのに初めのうちは気をつかった。


 



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でも大丈夫。
フロントブレーキはタッチも効力も十分だし、前後サスもしっかり受け止めてくれる。
(ただし、この手のバイクにしてはリアブレーキはABSの介入が早すぎると思う)

サスペンションに関しては、フロントがもう少し低負荷から動くといいな、とか、
リアの戻り側ダンピングがもっとしっかりあればいいな、とか思わなくは無い。
でもそんなのはたぶん些末な問題で、乗ってればすぐに慣れるような事だと思う。
せっかく普通のテレスコピックフォークにしてくれてるんだから自分で弄れば良い話だしね。
絶対的なサスの剛性やバネレートが不足しているようなことは無いし、
BMWお得意のテレレバーとかの特殊な構造じゃなく、しっかりフロント沈めて
フロントタイヤの限界をはかりながら、コーナーに飛び込んで行けるのは、
やっぱり楽しいなって思った。

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後ろのモンスター1100evoと比べるとフロントフォークが随分寝ているのがわかる。
決してコーナリングに特化したマシンではないのがよくわかると思う。

ポジションは優しくフレンドリー。
思った以上にロー&ロングなんだけど、フラットなシートは前後に動きやすいし、
ハンドルの高さや絞られ具合はどこにも負担を感じない。初めて乗るバイクで一日走ってると、
手首、二の腕、肩や首のどこかに負担を感じることが少なくないと思うのだけど、
このバイクはそういったことが一切無かった。さすが人間工学を重視するBMW、なのかな?
少なくとも僕にはちょうど良かったし、実際このハンドル取り寄せてウチのトラにつけたいぐらい。

気になるのはステップの低さぐらいで、バンク中に割とすぐにステップを擦るからといって、これ以上ステップを上げるとなるとシートの肉厚を増やして着座位置も上げなくちゃいけなくなる。シート作り替える+バックステップ装着に比べて、サスのリンク比変えて車高上げるほうがリーズナブルだなって思った。フロントも立てることができるし。BMWもこのスタイルでスクランブラー作るらしいので、その辺がどうなるのか気になるね。

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すでに述べた通り、低速トルクはぶっといのだけど、排気音も大変低く太い。一貫して低い音。
ウチの675トリプルはもちろんのこと、テルミ付きのモンスター1100evoと比べても
終始低い音を吐き出していた。それが僕には盛り上がりに欠ける気がしたし、
ちょっと疲れるように感じたのは確か。ずっと低くドドドって唸ってる。
それは何故か。

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盛り上がるに欠けると言ってしまったのは、このエンジンがレッドゾーンまで回しても楽しくないエンジンで、実際高回転でパワーがさほどのってくる訳でもなく、むしろ低回転でトルクをのせて走っている方が楽しいってのがある。具体的には6000rpmぐらいでシフトチェンジしていく方が楽しかった。もちろん最新のオートバイなので、高回転もバタバタ言いつつ一直線にふけあがって行くからズボラして2速固定でもそれなりに走れるけれども……高回転域の二段加速やエキゾーストノートに痺れるぜ!などという高揚感は無い。2stの高回転の狭いパワーバンドを維持する為にこまめにシフトチェンジするのと同じように、こちらは低い回転数を維持するためにこまめにシフトチェンジする感じ。(ギアの入りもいい。シフトフィールもよく出来てる)

すると当然頻繁にシフトダウンをしなくちゃいけなくなる訳だけど、このバイク、2速と3速のギア比が離れて過ぎていて、3速から2速にシフトダウンするたびに毎回毎回ほぼ100%、リアタイヤがギュッって鳴く。タイヤがメッツラーのZ8だということもあるのかもしれないし、アクセルオフでの回転の落ちが遅いってこともあると思う。エンジンの特性や車重の関係で荒れた路面でワイドオープンしてもそうそうリアが流れたりしなさそうなんだけど、3速から2速のシフトダウン時は必ずロックする。それがはじめのうちは鬱陶しかったのだけど、シャーシのバランスがいいのか、スリッパークラッチ的な構造が入っているのか、毎回毎回リアが一瞬ロックしている筈なのに、瞬時に収束して全然不安がない。むしろそれが楽しいと感じて以降、シフトダウンでキュパッて鳴かすのが楽しくなった。今時のオートバイには入っていることが多い電子制御がR nineTにはほとんど入っていないらしいけど、メカ的な調整、あるいは出力に対するフレームや足回り、それらからくる車重の設定といった車体のトータルバランスが優れているとそんな装備は必要ないっていう見本のようなバイク。ウチのストリートトリプルRもトラコンやモードセレクタ、ライドバイワイヤなどの電子制御はおろかスリッパークラッチ的なものやABSすら付いていないバイクなので、そういう意味では勝手に親近感を持って嬉しくなる。(ウチの子はシフトダウンでリアがロックすると割と左右に振られる。その点最新のデイトナ675は2速→1速でさえもギア比差がよく出来ていて、さらにスリッパークラッチ的な構造も入ってるので、シフトダウンのイージーさの為だけに最新デイトナ675に乗り換えたくなるんだけどね……)

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BMWとしては存分にカステムしてねというモデルを作った筈なので、外見のことを一言。
フロントフォークは金色より黒色がいいなぁと思います。艶ありの黒がいい。
あとヘッドライトの高さとサイズがなあ。微妙にバランス悪く感じる。
5.75インチのベーツライトに替えたいな。なんだったらアルミのゼッケンプレートつけてもいい。
いずれも簡単にできる事なので、僕ならまずここから手をつけると思う。

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今回はちょっと取り留めの無い感想になってしまったのでまとめると。

☆エンジンは低い回転数が楽しいずぶといトルク型で、重いフライホイールをぐるんぐるん回すかの如く低い排気音を聞きながら、その回転数をキープするために頻繁にシフトチェンジするマシン。

☆ワイドなミッションからシャフトドライブを介してリアタイヤに伝わるパワーは無駄も生じるけど、意外とタイヤと路面の状況を人間がコントロールするのが楽しいマシン。(たぶんハイグリップタイヤよりツーリングタイヤのほうが楽しいと思う)

☆その為の足回りはオーソドックスで、大幅なセッティングも許容してくれそうなマシン。

こんな感じかな。

とにかく(意図的に作られたかのような)濃密なボクサーツインのエンジンフィールが好きなら、楽しめるマシンだと思いました。それだけやたらとエンジンの主張が強いし、その為に犠牲にしてるものも少なく無いし、逆に何時如何なるときも、どんな回転数でもスイートでダイレクトな乗り味を求めるなら、他のバイクにしたほうがいいとも思います。


おしまい。
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by la_nuavo_vespa | 2016-07-12 23:13 | 素敵マシン | Trackback | Comments(2)
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Commented by harry at 2016-07-13 21:00 x
実に繊細で解り易いレポートで、楽しんで拝見しました。
うん、かなりの部分で同感です。

このバイク、性能的には特に際立った特徴があまりない割に、
いろいろな面で過渡特性が面白いというか、
操作に対する微妙なレスポンスを平和なスピードで楽しめるところが
一番の美点なのじゃないかと最近思うようになりました。
自分はこのエンジンとミッションがかなり好きなので
シンプルな車体とこの駆動系の組み合わせというだけで
もう十分OKなんですけど(笑

リアのABSの作動の頻度は、確かにちょっと鬱陶しいですね。
Fフォークのアウターチューブのやる気満々な色は
自分も何とかしたんだけど、海外では熱収縮チューブ巻いて
黒くしちゃう技なんかも広まってるみたいです。
試してみようかな...
Commented by ところで、 at 2016-07-25 23:12 x
実際のオーナーさんに楽しんでもらえたのなら良かったです。
そうですね。常用する領域で楽しいって大事ですね。
楽しめる時間が増えるってことですから結果的に飽きずに乗り続けられることに繋がると思います。
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