厚さこそ正義
「ほんと、今年の冬は寒いよねぇ」
「え。加齢とともに耐えられなくなってるだけやないん?」
「うんにゃ。この間の雪がまだ日陰で残ったりしてるじゃん、絶対今年の冬は寒いって」




そうか。今年の冬が厳しいと感じるのは僕だけじゃないのか。
先週からちょっと春に向かう兆しが見えたような気がするけど、
一月は通勤や仕事の移動ですらオートバイに乗るのが辛いと感じる日が多かった。
特に深夜の帰宅が辛くて、普段の服装も防寒重視に偏るし、
つい持てる服装のなかで最強クラスの防寒服ばっかりになってしまう。
あのひと毎日おんなじ服着てはるわぁ。って女子高生に後ろ指さされること必至。
上着はまだしも、下なんて毎日のようにHYODのレザーまぶしデニム。<→以前の記事>
タイツを履かなくても全然寒く無いのでずぼらな僕としては重宝しているのだけれど、
それがまたかれこれ六年もので、膝なんて黒くテカテカしてる。
クライアントに会うにはちょっと失礼すぎるって代物。
やばい。このままじゃ仕事干されかねん。

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色々考えを巡らせた結果、真冬ズボンとして今回も
HYODのスポーツデニム(冬バージョン)を買ってみた。
六年前の「レザーまぶしデニム」と違って、フォルムがブーツカットになってたり、
「デニム」という名前を全否定するヘリンボン生地もちょっと面白いような気がしたのです。
表生地が革じゃなくなり随分安くなってる(それでも一万円台後半)から手を出したってのもある。
ただし、その分裏地が無いに等しい(全体の裏地が張り合わされてしまって足の前面以外は表生地と一体になった生地が直接皮膚に接触する)のでむしろ割高になってる気もするのだけど。


 



テストとしてはベスパだと足下が隠れているので、トライアンフに乗りまくってみた。
タイツは履かない。タイツを履かなくても冬を乗り切れるのが理想だから。

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さっ寒い。寒いではないか……。

この季節でも太陽が出ている10度付近なら問題ないけれど、深夜の0度付近になると
ちょっと耐えられない感じ。がーん。先代のHYODさんなら大丈夫な場面でもコイツは無理だ。
確かに風は遮られているのだけど、生地そのものが冷たくてそれが直接肌に伝わっているのだ。
やっぱり表生地の温度を肌に伝えないための空気の層が必要なんだな。
薄々は気づいていたけどね……。


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幸いこのパンツには前面のみ吸水性の裏地が装備されていて、
ニーパッドを装着できるようになっている。ふふふ。
ブーツカットやヘリンボンの珍しさだけでコイツを選んだわけではない、その理由がココにある。
そうでなければ、同じようにポリエステル素材をサンドしている、
もっと安価なユニクロやエドウィンなどの防風ジーンズでも良い訳だ。

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プロテクション用のニーパッドの替わりに、表生地と裏生地の間にスペースを設け
空気の層を作り出す保温材を仕込めばいいんでないかい?
そう考えて、フリース、中綿入りナイロンキルティングから発泡スチロール系の梱包材まで、
いろんなものを膝に仕込んで効果を探っていく。時には二枚重ねにしてみたりしてね。
主に毎日の通勤中にテストしてるので、毎日の気温が一定でなく、
納得のいく結論を得るのに二週間もかかってしまった。

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結論としてはこうだ。
フリースはどうしても形を維持できない、スチロール系は蒸れやすい。
膝に仕込む以上、曲げた状態=圧迫されることになるので薄い中綿は無意味。
かといって厚いダウンのような中綿だと膝を曲げてない状態でパンパンにふくらみ、
格好悪い事この上ない。自然なドレープはおろか、フォルム自体が大きく崩れる。
そこで、通常の状態と圧迫した状態の厚みにあまり差がない中綿入りキルティングが望ましい。
具体的には指で摘んだ状態で3ミリ、指で摘まなくて5ミリ程度の目の詰まった中綿素材が、
非常に有効だった。コレぐらいあれば0度下の気温でも通勤ならタイツ無しで乗り切れそう。

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通常の状態と圧迫した状態の厚みの差がない中綿…ってなにかあるかなぁと探し出したのが、
こんな養生布団。引っ越し業者が家具を包んだりするアレです。
暖を取る事を目的にしたわけじゃなく、衝撃から守るために存在するので、
圧迫された時に薄くなるはずもなく、圧縮された時と通常状態に厚みに差がある必要も無い。


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(↑中綿が出てこないように切り口をかがっています)
気持ちの悪い色とか、再利用された屑綿が素材ってことは気にしない。
だって外から見える訳じゃないからね。真冬の気温に打ち勝ってくれればそれでいい。
90センチ×90センチで700円ぐらいだったかな。そんなに高いものじゃない。

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最終的に膝から太ももにかけてすっぽり覆えるサイズにしたけれど、
今のところ通勤でタイツを履くのは避けられている。
膝だけ皺ができにくいって事も無くなって、ちゃんと全体にドレープが走るし。
ただし、あくまで前面のみ暖かいだけで、走ってる時はそれでも良いのだけど、
下りて歩いてる時に冷たいビル風が後ろからお尻や膝裏をなでると、
「ひゃあ!」って声が出るんです。ツーリングに行くにはやっぱりタイツ履かないとダメですね。


 
by la_nuavo_vespa | 2012-02-08 05:56 | GOODS
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